先日の『うかうかと終焉』や『オールド・ジョイ』に続け、とばかりにAmazonプライムで見つけた初めて見る若手作家の作品にチャレンジしてみた。まるで予備知識ゼロで見始めたけど、残念ながらあまり弾まない。失敗だ。テンポも悪いし、なかなか面白くならない。20分くらいでやめたくなったが、一応最後まで見る。悪い映画ではないけど、下手。監督は金子雅和。
なんとこれはファンタジーでタイムスリップもの。そんな展開になるなんて思わなかったから少し驚く。しかもなんと大林宣彦監督が山田太一の小説に挑んだ名作『異人たちの夏』を想起させるような映画なのだ。神社の石段を通って戦時中の同じ町につながる。たった一夜の出来事。そこで出会った少女への淡い想い。捻挫した彼女をおぶって彼女の家である写真館に行き、ドジョウ鍋をご馳走になる。それだけ。
切ない胸キュン・ストーリーなのだけど、あまり上手くないから残念だが乗り切れない。描きたいこともその気持ちもわからなくはないけど、心地よい雰囲気は作れないから居心地が悪い映画になってしまった。これは夢見心地のいい映画にならないと意味がない。ある種の感傷だけど、それに浸ることが出来たなら成功するのだろうが、なかなか思い通りの映画は作れない。まぁ当たり前の話だろう。
後で調べたらこの映画、さまざまな映画祭に招かれ、賞をもらっているみたいだ。それは驚き。甘いし、下手だけど一部の人にとって琴線に触れる映画だったのかもしれない。僕は買わない。