三池崇史監督の新作。最近まるで振るわない。というか最近新作映画が途切れていたのではないか。今回久々の本格映画。だが一時期の勢いはもうない。相変わらずのB級映画、血しぶき満載。だが、久々の三池節を見ながら、もうまるでときめかないことに驚いた。
台本の稚拙さは彼のせいではないけど、それにしても、いくらなんでももう少し説得力のある展開ができないものか。昔ながらのVシネ乗りのB級映画だから突っ込みどころ満載の方がいい、とでも思ったのか。いや、それはいくらなんでもないな、ということは、この穴だらけの台本で納得したのか。昔作っていた低予算の世界をそれなりの予算で再現したかったのか。それなりに予算を使っての安っぽい展開にはあきれるしかない。
サイコパス対連続殺人鬼。悪と悪。そこにへっぽこ刑事たち(菜々緒と清川渋彦)が絡んでくる。ふざけた映画ではなく結構本気で作っているのはキャスティングからも明らかだ。冒頭の無意味なカーチエイスからずっこける。脳みそを抉り取る連続殺人鬼と向き合うのはサイコパス男、亀梨和也。彼もまた殺人鬼に狙われているけど、なぜか主役だから殺されないという安易さ。30年前の事件から始まる猟奇殺人。展開のすべてが安直であほらしい。よくもまぁ、こんな話にGOサインが出たものだ。ワーナー映画日本支社は狂ったか。