今年で4年目を迎えるアイホールによるこの企画は、普段はなかなか触れることのできない現代英国戯曲を、魅力的なキャストと演出家によって見せてもらえる好企画。
人と付き合うことが苦手で、ひきこもりの女性がインターネットで出会った異性とどう付き合うのかを描く。コメディーともシリアスとも、どちらにも料理できる素材を、ニットキャップシアターのごまのはえが、微妙な距離感を持った文体で処理してみせる。リーディングとはいえ、この企画は限りなくふつうの演劇に近い形を取るのが、常だが、今回は今まで以上に、テキストを持って演じるということから生じる台本との距離を演出に取り込んでおり、おもしろい。敢えて小道具を使わないで、ト書き部分をしっかりマイクを通して聞かせていくのも意図的で、よく考えられている。
この戯曲の「わかりやすいようでわかりにくい」部分をそのまま提示することで、この戯曲の不思議な魅力を際立たせようとしたのは正解だったはず。この解りやすい芝居をそのまま見せたなら、ただのちょっと変わった恋愛ものにしかならない。インターネットによる出会い、といういかにも現代風の味付けをしたハートウォーミングのラブストーリーなんていう、あまりにわざとらしいものにもなりかねない。もちろんそういうパッケージングをしたウエルメイドとして、これを仕立てるのもひとつのやり方だと思うが、せっかくの実験的な公演なのだから、もっと冒険したらいい。ということで、ぎくしゃくしたやり取りの持つ魅力を前面に押し出し、とてもぎこちない芝居が得意な久保田浩と、さりげなく物事を流せない不器用さが魅力の重定礼子によって、とても面白い作品に仕上がっている。脇を固める魔瑠、森本研典がとても上手いから安心して見ていられる。とても豪華なリーディング芝居。
人と付き合うことが苦手で、ひきこもりの女性がインターネットで出会った異性とどう付き合うのかを描く。コメディーともシリアスとも、どちらにも料理できる素材を、ニットキャップシアターのごまのはえが、微妙な距離感を持った文体で処理してみせる。リーディングとはいえ、この企画は限りなくふつうの演劇に近い形を取るのが、常だが、今回は今まで以上に、テキストを持って演じるということから生じる台本との距離を演出に取り込んでおり、おもしろい。敢えて小道具を使わないで、ト書き部分をしっかりマイクを通して聞かせていくのも意図的で、よく考えられている。
この戯曲の「わかりやすいようでわかりにくい」部分をそのまま提示することで、この戯曲の不思議な魅力を際立たせようとしたのは正解だったはず。この解りやすい芝居をそのまま見せたなら、ただのちょっと変わった恋愛ものにしかならない。インターネットによる出会い、といういかにも現代風の味付けをしたハートウォーミングのラブストーリーなんていう、あまりにわざとらしいものにもなりかねない。もちろんそういうパッケージングをしたウエルメイドとして、これを仕立てるのもひとつのやり方だと思うが、せっかくの実験的な公演なのだから、もっと冒険したらいい。ということで、ぎくしゃくしたやり取りの持つ魅力を前面に押し出し、とてもぎこちない芝居が得意な久保田浩と、さりげなく物事を流せない不器用さが魅力の重定礼子によって、とても面白い作品に仕上がっている。脇を固める魔瑠、森本研典がとても上手いから安心して見ていられる。とても豪華なリーディング芝居。