2時間45分の大作だ。いまどきこの手の西部劇が作られるというだけでも、珍しいのだが、タランティーノはいつものように自分の趣味とこだわりを満載させて、とても楽しい映画を作り上げた。黒人奴隷のジャンゴと、彼を開放して一緒に賞金稼ぎをするドイツ人の歯科医シュルツ。とてもテンポよく、彼らの旅を串団子式に描きながら、やがてはジャンゴの妻を取り戻すために悪人である地主(ディカプリオだ!)と対決するクライマックスへと一直線だ。
お決まりのストーリーなのに、それがピタリと決まる。観客の期待を裏切らない。娯楽活劇として、とてもよく出来ている。自分が見たいものは、みんなの見たいもの。タランティーノの自信が、みなぎる。南北戦争直前という時代設定もいい。黒人奴隷の虐げられた状況を悲惨として描くのではなく、それがこの映画の面白さを、倍増する。強い黒人が、白人たちを叩きのめす快感。憎々しげな悪党をあのディカプリオに演じさせるというのもいい。初めての悪役に挑戦して、その初々しさがとてもいい味になっている。嘘臭くないのがいい。
見せ場は、派手なスタントや、銃撃戦だけではなく、ストーリーのおもしろさによる。全体のバランスがとてもいいのだ。3時間近くあるのに飽きさせないのは、それゆえであろう。映画としてどうのこうの、という気はない。別に歴史に残る傑作、とかまるで関係ない。だが、タランティーノは自分の趣味を突き詰める。これはただ自分を喜ばせるためだけの映画だ。でも、それがどうした、と彼は思っている。中身なんかなくていい。映画としての興奮さえあれば上等だ。あとは何もいらない。
お決まりのストーリーなのに、それがピタリと決まる。観客の期待を裏切らない。娯楽活劇として、とてもよく出来ている。自分が見たいものは、みんなの見たいもの。タランティーノの自信が、みなぎる。南北戦争直前という時代設定もいい。黒人奴隷の虐げられた状況を悲惨として描くのではなく、それがこの映画の面白さを、倍増する。強い黒人が、白人たちを叩きのめす快感。憎々しげな悪党をあのディカプリオに演じさせるというのもいい。初めての悪役に挑戦して、その初々しさがとてもいい味になっている。嘘臭くないのがいい。
見せ場は、派手なスタントや、銃撃戦だけではなく、ストーリーのおもしろさによる。全体のバランスがとてもいいのだ。3時間近くあるのに飽きさせないのは、それゆえであろう。映画としてどうのこうの、という気はない。別に歴史に残る傑作、とかまるで関係ない。だが、タランティーノは自分の趣味を突き詰める。これはただ自分を喜ばせるためだけの映画だ。でも、それがどうした、と彼は思っている。中身なんかなくていい。映画としての興奮さえあれば上等だ。あとは何もいらない。