高校生から家出して浮浪者になった少年の彷徨い過ごす数年間を描く。なけなしの貯金8万円を父親に盗まれた、恋人を強姦された耕一郎は父を殴りつけ雪の中放置して家を出る。父を殺したと思う。
できる限り遠くに行く。そこでホームレスとして暮らす。ダンボールの家、空き缶拾い、やがて寄せ場に移動し日雇い労働に従事することになる。
住所不定、偽名の未成年の男を雇う人はいないけど、生きていくためにさすらう。気がつけばホームレスに。最底辺の生き方を続ける。そこで得たもの。感じたこと。
そんなふうにして、何年もの日々を過ごすことになる。大きな事件はない。作業をしてして、階段から落ちて大きな怪我をした。数週間仕事は出来ないし、保険証もないから、病院にも行けない。なんとか完治したが。
知り合いのおっちゃんとたこ焼き屋の屋台を始める。静岡に古い家を借りてそこで生活を始める。この終盤に至ってようやく一息つく。おっちゃんの死からラストまでも一気に見せてくれる。ラストの帰郷を描くエピソードも含めて、ほっとする。彼の長い悪夢の旅がようやく終わりを告げる。