震災後の被災地に自分から望んで神戸から(彼もまた阪神大震災の被災者だ。妻子を亡くしている)やってきた教師が、そこでの子供たち、大人たちとの関係の中から、自分にしか出来ないことを通して、彼らに生きる勇気を与える。そんな風に書くとなんだか臭そうなヒューマンドキュメントみたいだが、これがとてもいい。6つの短編連作になっている。
そこに描かれるさまざまな問題が切実で、被災して心が折れてしまいそうになりながら生きている人たちとの交流を通して、支えあい生きていく方向を見出していく姿は感動的だ。自分に出来ることをする。主人公はトラブルメーカーなのだが、彼は好き好んでトラブルを引き起こすのではない。自分の信じることに邁進するからそうなる。我慢するのではなく、ちゃんと自己主張する。ボランティア団体との話や、学校の同僚、管理職との問題。彼が歩くと何かにぶつかるのは、彼の妥協しない性格ゆえだ。神戸でも管理職とぶつかって実は教職を辞めようと思っていた。そんなときに、3・11が起きて、逃げるようにここに来た。決して前向きな動機ではない。だが、現地の現実が彼を変えていく。
目の前のさまざまな困難、そこから目をそらすことは出来ない。1年間という限られた時間の中で、外からここに来て、やがては去っていくという部外者でしかないスタンスで、かき回して、いなくなる。そんな風にしか思われないような(彼だってボランティアなのだ)現状の中で、ここに暮らす人たちの中に入り、同じ目線で真剣に向き合うことで、理解者は増えてくる。そんな型破りな先生の乱暴にも見える奮闘を通して、そこには何が必要なのかが見えてくる。
主人公の教師だけでなく、子供たちが素晴らしい。そして、校長や同僚の教師(さまざまな人がいるけど)との関係を通して、彼がひとりで戦うのではなく、みんなに後押しされて(最初は暴走するけど)前進していくのだ。そういう姿がみんなを元気にする。
そこに描かれるさまざまな問題が切実で、被災して心が折れてしまいそうになりながら生きている人たちとの交流を通して、支えあい生きていく方向を見出していく姿は感動的だ。自分に出来ることをする。主人公はトラブルメーカーなのだが、彼は好き好んでトラブルを引き起こすのではない。自分の信じることに邁進するからそうなる。我慢するのではなく、ちゃんと自己主張する。ボランティア団体との話や、学校の同僚、管理職との問題。彼が歩くと何かにぶつかるのは、彼の妥協しない性格ゆえだ。神戸でも管理職とぶつかって実は教職を辞めようと思っていた。そんなときに、3・11が起きて、逃げるようにここに来た。決して前向きな動機ではない。だが、現地の現実が彼を変えていく。
目の前のさまざまな困難、そこから目をそらすことは出来ない。1年間という限られた時間の中で、外からここに来て、やがては去っていくという部外者でしかないスタンスで、かき回して、いなくなる。そんな風にしか思われないような(彼だってボランティアなのだ)現状の中で、ここに暮らす人たちの中に入り、同じ目線で真剣に向き合うことで、理解者は増えてくる。そんな型破りな先生の乱暴にも見える奮闘を通して、そこには何が必要なのかが見えてくる。
主人公の教師だけでなく、子供たちが素晴らしい。そして、校長や同僚の教師(さまざまな人がいるけど)との関係を通して、彼がひとりで戦うのではなく、みんなに後押しされて(最初は暴走するけど)前進していくのだ。そういう姿がみんなを元気にする。