1990年から始まって、毎年秋に1作ずつ(コロナでお休みはあったけど)公演が続いた。そしてなんと今回、あみゅーず第30作目の記念作品だ。すごいなぁ、と素直に感動する。条さんと笠嶋さんが友情を育み、ずっとふたりで(たくさんの仲間とともに!)途切れることなく(当然、途絶えることもなく)ここまで続けたのだ。30年って半端じゃない歳月だ。スタッフも変わらない。キャストは男優には毎回いろんなゲストを呼んでくるけど、女性はほぼ固定メンバーで毎回作る。ふたりの「好き」を集めて作品にしてきた。これからもその姿勢は同じだろう。それだからここまで続けられたのだろう。
お決まりの展開、同じような幸せ。男がいて、女がいて、恋したり、喧嘩したり、仲直り。「女と男のしゃば・ダバ・だぁ」はいつまでだって続く。今回もまた、そんな自分たちのやりかたを改めて確認する作品に仕上がった。
今回の5つのエピソードは「とある町の、とある公園」が舞台。そこでの1日が描かれる。朝から始まり夜に至る。清掃スタッフがやってくる朝の光景。女優5人のアンサンブル。2話目は、条さん演じる50代の娘と、父親の恋人(未満)らしい女性(濱奈美)とのお話。ここには不在の父親を巡って、初めてここで対面するふたりの女の対決が描かれる。次の笠嶋さん演じる元先輩社員(派遣)と、かなり年下の新入社員(栗山勲)とのデートを描く1篇もそうだが、どのエピソードもなんだかとても優しい。そこには緊張感をもって向き合うふたりの距離が少しずつ縮まるまでの短かい時間が描かれる。4話目の三角関係も同じ。夫の恋人(未満)の女性(中村ユリ)と妻(思い野未帆)、その間に挟まれた夫婦の共通の友人(本多信男)。ハッピーエンドは心地よい。
そしてラスト。夕暮れ時の公園で交わされる幼馴染の(今ではもう老婆になった)ふたりの対話。昔の思い出が詰まった缶缶を開ける。昔ふたりがあみゅーずで演じた青い鳥の『モンタージュ』の設定だ。条さんと笠嶋さんがここでこれをやるのは必然だろう。「好き」はどこまでも続く。