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かなりの低予算映画だが、2020年映画芸術ベストワン、キネマ旬報11位に輝いた傑作(らしい)。公開時はコロナ禍でもあり、見逃してしまった。昨年長田で震災絡みの上映会があり、たまたまその日芝居を見るために劇場前まで来ていたが、時間が合わず見れなかった。ようやくAmazonプライム・ビデオで配信が始まったので見ることが出来た。
いまおかしんじ監督作品らしい不思議なユーモアを湛えた映画だ。阪神淡路で幼い娘を亡くした夫婦の20年に及ぶその後を描く。ハードな内容なのに、決して重くも暗くもない。だけど、ここにある悲しみは確かに伝わってくる。どうしようもない想いが溢れてくる。
ただ、話の流れが摑みにくく、いろんなところが不誠実。武田暁は失明したはずなのに、いきなり治っているラストの展開は幻想なのか。それにしてはあまりに普通でわけがわからない。20数年の歳月もあまり感じられないから回想シーンかと思った。
れいこを失った後の人生をただ悲惨な日々として描くのではなく、コミカルな描写も含めた悲喜劇にして見せてくれる。いまおかしんじはピンク映画と同じタッチで貧乏くさいけど、こんな世界もあるわな、というくらいのタッチでそこそこリアルに見せてくれる。だけどこれを傑作だと持ち上げるってなんだかなぁと僕は思うけど。