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映画・演劇のレビュー

『デスノート Light up the NEW world』

2016-11-21 21:03:05 | 映画
10年ぶりの続編なのだが、ハードルは高かった。前作のふたりを出さないという選択は悪くないけど、それがまるで生かされないのはどうだろうか。これでは続編を作る意味がない。あれでお話は終わっていて、これはただの後日譚でしかない。監督は佐藤信介。『GANTZ』や『図書館戦争』を作った信用のおける才人だ。なのに、この体たらく。



前後編2部作、4時間のLとキラの戦いを踏襲するのでは意味はない。それぞれの後継者が再びデスノートを介して頭脳戦のバトルを繰り広げる、というのでは芸がなさすぎ。では、どういう展開をさせるのか。



まず、6冊のデスノートというアイデアがバカ。これではまるでドラゴンボールではないか。6つそろえば願いがかなうなんて、本気でこんなストーリーでいいと思ったのだろうか。主役の3人は今が旬の若手役者たちなのに、まるで彼らに活躍できるスペースすら与えない。ただ、うろうろしているだけ。オロオロして、結局何もしないで終わる。2時間15分という中途半端な上映時間がむだに浪費される。こんな内容ならせめて2時間以内に納めればよかったのだ。スピーディな展開で、いらぬことを考えさせる前に終わらせる、そんな勢いだけで見せてほしかった。ただ、冒頭からモタモタしてまるでスピーディではなかったから、それは無理かぁ。



登場人物だけがやたら多くて舵取りもできないまま船は沈む、というパターンである。特に東出昌大が可哀そうだ。でかいだけの木偶の坊になってしまった。彼の立ち位置があまりに微妙で何もできないままラストを迎える。そこで、実は、とか言われても意味がない。デスノートというアイデアがもうまるで意味をなさない展開で、「ただ、ノートに名前を書いただけで人が死ぬ」という理不尽が、ただの大前提にしかなっていないようではこの映画には意味はない。要するにとことん無意味な映画なのである。
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