バカバカしい芝居なのだが、それがお約束。彼らのパターンを熟知したお客さんはそれを期待してここに来ている。こういう泥臭くて笑える芝居をどれだけスマートに見せることが出来るのかが彼らの身上。無駄に力がこもったパンフもなかなかおしゃれでいい。ギャグを連発するだけではなく、それがスタイリッシュに提示されて、1時間の作品としてコンパクトに収まる。ちゃんと計算されている。
受験勉強のため演劇部を辞めた主人公なのだが、未練たらたら。クラブのTシャツを着たまま勉強にいそしむのだが、なかなか集中できない。そこに3人の刺客がやってきて、彼を勉強から引き離す。(というか、3人の刺客って、誰のことだ? パンフにはそう書いてあるのだが。確かにそんなやつらもいたような)まぁ、要するに3人だけではなくみんなが彼の勉強の邪魔をするんですよね、間接的に。実際は彼自身があまり勉強に身が入らないだけなのだ。まぁ、たわいもないお話なのだけど、あまり何も考えないで笑いながら見ていたらいい。そんな芝居なのだ。
この軽さがとてもいい。ここにテーマとか主張を持ち込むのはヤボだ。だからそんなことは一切しない。出来ないのではない。彼らはしないのである。そこがなかなか「おしゃれ」なところなのだ。たわいもない芝居であることを大事にする。こいつらは確信犯。汗臭くておしゃれ。なかなか味わい深い。