なんと今年で29回目になるのか。もうそんなにも歳月が経ったのか、と思うと驚きしかない。HPFは、最初の年から知っている。僕が当時、勤めていた高校が参加していたはず。というより、この企画を推進した古賀サンに「見てよ、」誘われたのがきっかけだ。最初は「高校生の芝居なんて」と二の足を踏んだけど、(高校で働いているくせに、高校生の演劇をバカにしていたのだ)請われるまま、まず最初に追手門の芝居を見て衝撃を受けた。そのへんの小劇場の芝居よりも、凄い、と思ったのだ。この完成度の高さは何なんだ、と思ったことを鮮烈に憶えている。それからは毎年見ている。僕は3年目(最初の2年間は実は見なかった)から本格的に見始めて、今ではもう20年以上、講評係も引き受けているはずだ。
毎年夏になるとすぐ(高校の終業式の後、ということだ!)大阪では高校生が自分たちの芝居を小劇場で公演するこの『大阪高校演劇祭』が始まる。今回はなんと30作品。31校の参加で11日間開催される。今年は仕事の関係(この時期は毎年忙しい。今年も懇談とクラブ合宿がきっちり毎日重なっていて6時頃まで学校を出ることが出来ない。しかも、春演の審査会、講評会や授賞式もブッキングしていて)でウイングを中心にして見せてもらうことになっているのだが、どれだけを見ることが可能やら。
でも、できる限り、今年も1本でもたくさんの作品を目撃したいと思っている。高校野球の予選もたけなわのこの時期、大阪の高校演劇部員たちも、同じように最高に熱い夏を送る。彼らの芝居に触れることで、何か、自分の力になるものを貰えたなら、と期待している。