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映画・演劇のレビュー

『ジェイソン・ボーン』

2016-10-21 21:44:26 | 映画
3部作で一応は決着がついたはずなのに、ヒット作品の宿命で、映画会社からさらに新作を求められる。グリーングラス監督とマット・デイモンは再びボーンをよみがえらせる。必然性なんてないのに。



これは最初から可能性のない映画だ。ここに残るのはテクニックだけ。でも、彼らはそこに勝負をかける。ドキュメンタリーのようなタッチをさらに推し進め、編集によって時間軸のつながりをわざと不安定なものにする。大がかりなアクションは、カットやシーンだけではなく、シークエンスとして作り上げ、流れるような一連の描写は見事。内乱のギリシャのシーンなんて、これが映画であることを忘れさせるくらいにヴィヴィット。見ていて興奮させられる。近年の007もシークエンス全体が一つの作品のように作られてありアクション映画の新境地を切り開いたが、これはそれをさらに推し進める。



しかし、肝心のお話自体がしょぼいので、これだけ苦労して撮影したにも関わらず、映画自体は中身のないB級アクションにしかならない。最初に書いたようにテクニックだけでは映画としては成立しない。残念。
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