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映画・演劇のレビュー

『不都合な記憶』

2024-10-02 17:53:00 | 映画

『ある男』の石川慶監督がAmazonで撮った最新作である。劇場公開ではなく配信公開された。小さな作品だか、それなりに大予算をかけたSF映画だ。2200年、人類は環境汚染が進んで人が住めなくなった地球を離れてスペースコロニーで暮らしている。ある夫婦のお話。

 密閉空間を舞台にして、登場人物は(ほぼ)たったふたりのサイコサスペンス映画。伊藤英明と新木優子。彼は死んだ妻を模したアンドロイドとふたりきりで暮らす。
 
妻は自分がアンドロイドであることを知らない。夫は彼女がどれだけ妻そのものであったとしても彼女を愛しきれない。たとえどれだけ精巧であろうともそれはコピーでしかないからだ。この設定を生かした本格恋愛映画を作ればいいのに、サイコにしてしまった。まぁ伊藤英明だから変質者になるのは仕方ないかもしれないけど。(最近の彼は異常者が定番化している)
 
期待したようなドラマはここにはなく、定番ホラー(『エイリアン』タイプ)を踏襲したような展開になる。これにはガッカリした。石川慶はどうしてこんなつまらない映画を作ってしまったのだろうか。これは宇宙でたったひとりという孤独をテーマにしたラブストーリーでいいじゃないか。

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