偉大な俳優、ニコラス・ケイジ。数々の傑作映画に出て素晴らしい演技を見せた名優。と、書いたっていいけど、失笑を買うことだろう。今は断ることなく90分程度のB級映画を量産している。だけどニコラスは凄い。
こんな映画を自分から作ってしまう。自虐ネタを使ってここまで遊ぶ尽くすのは普通じゃない。しかもただのB級ではない。かなりの大作仕様で、これだけの仕掛けを用意できるって凄い。自らのキャリアを使って笑いをとり感動さえさせてくれる。
ニコラス大好き男と、女性が登場。まずは冒頭のTV。そこでニコラス映画を大喜びして見る若い女の子だ。せっかくニコラスを見ていたのに彼女は誘拐される、ところから映画が始まった。その後すぐにニコラス登場! 落ち目のニコラスが必死な売り込みをするけど、相手にされない。マネージャーからスペインの富豪がニコラスを誕生日会に参加して欲しいというオファーがあると連絡あり。ギャラは60万ドル!(600万だったかも)あり得ない大金。行きたくないけど、仕方ないから行く。仕事ないし。彼を呼んだ富豪は実はやばい男で、冒頭の誘拐事件の首謀者みたい。ニコラスはなんとCIAのスパイになり、人質奪還作戦敢行。こんなアホな話なのにおふざけにはしない。それどころかシリアスだ。マジか? 富豪は大のニコラスファン。一緒に映画を作りたいと言う。ということで、ふたりの友情物語になる。敵同士のはずなのにバディムービーだし。
アクション満載で、コミカルな映画だけど、ニコラス愛溢れた作品でまさかの感動的な映画。散々とんでもないB級映画に出て株を下げているけどお構いなしの快進撃を続けるニコラスの代表作のひとつに数えてもいい。ここまでやりたい放題ができるのはニコラスだから。リーアム・ニーソンでも叶わない。