発想は面白いが、帰着点があまりに単純で、オチにもなっていない。コントならこれでもいいのかも知れないが、2時間の映画なのだから、これではかなりの観客は納得しないだろう。
松本人志が撮る映画なのだから、壮大なコントでいい、と本人は居直っているのだろうから、それ以上文句を言っても仕方ないことだろうが、少なくとも僕はがっかりした。
但しこのバカバカしい話を本気でバカバカしく撮ったということは、高く評価されてもいい。ここまでやられると確かに感動もする。だいたいこの映画が怪獣映画でヒーローものだなんて思いもしなかった。しかもそれをおふざけではなくシリアスに作ろうとするのだ。呆れるやら、笑えるやら。
大日本人というヒーローが代々この国を、たくさんの獣(怪しいわけではないから、「怪」を取って『獣』という)から守ってきた、という架空の歴史の上に立ってこのドラマは作られる。人間が電気ショックで巨大化するという『サンダ対ガイラ』的ドラマを、大日本人の家系に生まれた悲劇を絡めて見せる。続々現れる獣とのバトルをCGを駆使したリアルな映像で見せ、シリアスに物語は展開していく。
なのに、いきなりラストでへんなヒーローが大挙して現れ、着ぐるみショーと化していくというシュールな展開になり唖然とさせられる。セットもわざと安いミニチュアになり、最後はそこまでの全てを打ち消す勢いのあほらしさ。
ほぼ全編松本人志のひとり芝居である。『大日本人』のドキュメンタリーを撮るTVクルーが、密着取材として彼に張り付いて、彼を追いかける、というフェイクドラマの枠組みを作りながら、このリアルには程遠いホラを基本的にはシリアスにも見せる。それだけに、あのラストシークエンスはそれまでのストーリーラインを完全に無にしてしまう。これは無意味なコメディーなのだ、と言い切る。真面目に見ていた人間をはぐらかして終わる。「やられた」とまでは思わないが、これはこれで潔いのだろうか。
松本人志が撮る映画なのだから、壮大なコントでいい、と本人は居直っているのだろうから、それ以上文句を言っても仕方ないことだろうが、少なくとも僕はがっかりした。
但しこのバカバカしい話を本気でバカバカしく撮ったということは、高く評価されてもいい。ここまでやられると確かに感動もする。だいたいこの映画が怪獣映画でヒーローものだなんて思いもしなかった。しかもそれをおふざけではなくシリアスに作ろうとするのだ。呆れるやら、笑えるやら。
大日本人というヒーローが代々この国を、たくさんの獣(怪しいわけではないから、「怪」を取って『獣』という)から守ってきた、という架空の歴史の上に立ってこのドラマは作られる。人間が電気ショックで巨大化するという『サンダ対ガイラ』的ドラマを、大日本人の家系に生まれた悲劇を絡めて見せる。続々現れる獣とのバトルをCGを駆使したリアルな映像で見せ、シリアスに物語は展開していく。
なのに、いきなりラストでへんなヒーローが大挙して現れ、着ぐるみショーと化していくというシュールな展開になり唖然とさせられる。セットもわざと安いミニチュアになり、最後はそこまでの全てを打ち消す勢いのあほらしさ。
ほぼ全編松本人志のひとり芝居である。『大日本人』のドキュメンタリーを撮るTVクルーが、密着取材として彼に張り付いて、彼を追いかける、というフェイクドラマの枠組みを作りながら、このリアルには程遠いホラを基本的にはシリアスにも見せる。それだけに、あのラストシークエンスはそれまでのストーリーラインを完全に無にしてしまう。これは無意味なコメディーなのだ、と言い切る。真面目に見ていた人間をはぐらかして終わる。「やられた」とまでは思わないが、これはこれで潔いのだろうか。