『東京バンドワゴン』の小路幸也が、音楽をテーマにした短編集に挑む。読んでいて、何度となく涙が出そうになる。こういうハートウォーミングってあざといな、と思いつつも、なんか胸が一杯になるし、とても正直な話なので、素直に泣いてもいいぞ、と思う。とてもいい気分にさせられる。
音楽っていいな、と思う。音楽なんてなくても生きてはいけるけど、音楽があるから、生きていける。老いてボケが始まっているミュージシャンの悔恨。いなくなったデュオの片割れ。愛し合ったアイドルとそのバックミュージシャン。バラードが作れない目が見えない女性ミュージシャンの引退。自分が休んでいるうちにブレイクしたバンドのドラマー。スーパースターになってしまった男の帰還。コミックバンドとして、活躍することになったハワイアンバンド。
7つのエピソードのそれぞれの主人公たちは、人生の中心に音楽があり、そこを起点にして動いていく。彼らのひとつの局面がこの小さな物語の中で描かれていく。いずれも泣けるが、最初の老ミュージシャンの話が一番心に沁みた。『東京バンドワゴン』のロックミュージシャンである父親、我南人とイメージが重なった。いつも言ってるけど、あれって、僕には絶対内田裕也にしか見えない。
音楽っていいな、と思う。音楽なんてなくても生きてはいけるけど、音楽があるから、生きていける。老いてボケが始まっているミュージシャンの悔恨。いなくなったデュオの片割れ。愛し合ったアイドルとそのバックミュージシャン。バラードが作れない目が見えない女性ミュージシャンの引退。自分が休んでいるうちにブレイクしたバンドのドラマー。スーパースターになってしまった男の帰還。コミックバンドとして、活躍することになったハワイアンバンド。
7つのエピソードのそれぞれの主人公たちは、人生の中心に音楽があり、そこを起点にして動いていく。彼らのひとつの局面がこの小さな物語の中で描かれていく。いずれも泣けるが、最初の老ミュージシャンの話が一番心に沁みた。『東京バンドワゴン』のロックミュージシャンである父親、我南人とイメージが重なった。いつも言ってるけど、あれって、僕には絶対内田裕也にしか見えない。