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映画・演劇のレビュー

『赤ずきん』

2012-02-25 10:02:36 | 映画
 こんなタイトルで公開されるのだ。なんか凄くないか。劇場公開時には、そのなんとも言えない大胆さに恐れ入った。絶対ヒットしないだろう、と思った。まぁ、その点は覚悟の上であろう。じゃぁ、どんなタイトルにすればいいのか、いい案は見当たらない。赤ずきんが大人になって狼一族と戦うなんていうお話である。監督は、『トワイライト~初恋~』のキャサリン・ハードウィック。なるほど、と思う。これって、確かに『トワイライト』の路線だ。とても納得。でも、その納得はなんだぁ、という納得で、興味半減ということだ。このなんだかバカバカしい企画の可能性が損なわれた気がした。案の定映画は思った通りのYAバンパイア映画で、これじゃぁ、赤ずきんちゃんのお話にする意味ないじゃん、と思う。

 結構頑張って作っているのだが、『トワイライト』の別バージョンでは面白みに欠ける。ここは残酷なペロー童話をさらに改ざんして大胆不敵なお話として、作り替えてもらいたかった。最初子供時代が描かれるのだが、ここをもう少し長くしてオリジナルストーリーの要素も大胆に取り込んで欲しい。かなりずるくて悪そうな顔した女の子をキャスティングしているから興味深々だったのに、すぐこの少女はお払い箱になり、大人の女になる。でも、この大人になった赤ずきんもかなりいけずそうな顔しているから、このダーク・ファンタジーにぴったりだった。

 これは悪の赤ずきんと、可哀想な狼の話でよいのではないか。なんて、いうことを書いていると、いろんな人からきっとお叱りを受けることだろう。まるで、この映画と関係ないし。勝手に妄想しているだけで、これでは映画のことは何一つ語ってはいない。だが、それって仕方ないことなのだ。僕はこの映画から何一つ感じることがなかったからだ。ホラーにもならないし、ラブストーリーとしても、まるで乗れない。ならば、何をどう見ればいいというのか。見るべき点は何もない。だから、本当は書くべきこともないのである。

 じゃぁ、書くな、と思う。でも、なんか書かなくては気が済まないのだ。これはきっとちょっとした病気である。

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