ラストでみんなを抱きしめる主任。疲れて眠るその仲間たち。この場面がすばらしい。この共同体への愛しさがしっかり伝わってくる。ずっと一緒にいたい。それだけだったのかもしれない。ずっと、なんてないのは分かってる。いつかは終わりがやってきて、変わっていかざる得ない。だからこそこの瞬間をしっかり抱きしめていたいと思う。
こだわり続けたい、と思う。出てくるあてもない恐竜の骨にこだわり、それをいつまでも探し続ける6人の物語である。主任を演じる鈴江さんの情けないキャラクターがとてもいい。(こういう役が板についてきた。)
ある日彼はいなくなる。あんなにここに拘っていたはずなのに。芝居の後半は、彼の不在の中でドラマは展開していく。芝居のラスト。彼は帰って来る。そして猟銃を持って、暴れる。
イライラする。ずっとここにとどまり堀続けていくことは嫌ではない。だって好きだから。でも、結果を出さなくては続けることすら出来なくなる。そんな焦燥感が描かれていく。それぞれの気持ちが交錯する。感情的になってしまう。それを抑えようとする。でも、難しい。芝居は独自のペースで展開していく。コミカルではないのに、ドタバタする。でも、何も起きない。カリカチュアするでもなく、リアルに見せたりしてるわけでもない。重くもなく軽くもない。なんともいい難い語り口を見せる。ドラマチックから限りなく遠くにある。
親の遺産を食い潰してこんな発掘をやっている。民間の会社を興して発掘に従事している。自分たちのやりたい事をやる。そのつもりで大学の研究室を出たはずだった。しかし、現実は厳しい。廃屋となった家を借りてそこを事務所にして生活している。この村は過疎化が進み、人はあまりいない。この古い家には死者の魂が宿っているのではないか、と思う。裏にあるロッキングチェア。それはある日気付いたときには、そこにあった。誰がいつ持ってきたのか。分からない。
さみしいから、みんなと一緒にいたい、という青年。子供を棄ててここに来ている女性。発掘だけが生きがいの男。そんな彼をひたすら追いかける女。そして、主任夫婦。6人の描き分けは、とてもくっきりしていて、曖昧さはどこにもない。
代わり続けていくものに、背を向けて、日々変わることなくいつまでも同じ行為を繰り返す。既に死んでしまってるもの、<恐竜の骨>を探している。
この芝居が拘り続けるものは、<恐竜の骨>という幻に仮託された、僕たち自身の大切なものへの思いである。その思いが深ければ深いほど人は切ない気持ちに成らざる得ない。生きていくことで失うものが、そこにはある。
昔、ここは沼だった。そういう記憶をいかに大切にするのか。この芝居はそこに眼目がある。
こだわり続けたい、と思う。出てくるあてもない恐竜の骨にこだわり、それをいつまでも探し続ける6人の物語である。主任を演じる鈴江さんの情けないキャラクターがとてもいい。(こういう役が板についてきた。)
ある日彼はいなくなる。あんなにここに拘っていたはずなのに。芝居の後半は、彼の不在の中でドラマは展開していく。芝居のラスト。彼は帰って来る。そして猟銃を持って、暴れる。
イライラする。ずっとここにとどまり堀続けていくことは嫌ではない。だって好きだから。でも、結果を出さなくては続けることすら出来なくなる。そんな焦燥感が描かれていく。それぞれの気持ちが交錯する。感情的になってしまう。それを抑えようとする。でも、難しい。芝居は独自のペースで展開していく。コミカルではないのに、ドタバタする。でも、何も起きない。カリカチュアするでもなく、リアルに見せたりしてるわけでもない。重くもなく軽くもない。なんともいい難い語り口を見せる。ドラマチックから限りなく遠くにある。
親の遺産を食い潰してこんな発掘をやっている。民間の会社を興して発掘に従事している。自分たちのやりたい事をやる。そのつもりで大学の研究室を出たはずだった。しかし、現実は厳しい。廃屋となった家を借りてそこを事務所にして生活している。この村は過疎化が進み、人はあまりいない。この古い家には死者の魂が宿っているのではないか、と思う。裏にあるロッキングチェア。それはある日気付いたときには、そこにあった。誰がいつ持ってきたのか。分からない。
さみしいから、みんなと一緒にいたい、という青年。子供を棄ててここに来ている女性。発掘だけが生きがいの男。そんな彼をひたすら追いかける女。そして、主任夫婦。6人の描き分けは、とてもくっきりしていて、曖昧さはどこにもない。
代わり続けていくものに、背を向けて、日々変わることなくいつまでも同じ行為を繰り返す。既に死んでしまってるもの、<恐竜の骨>を探している。
この芝居が拘り続けるものは、<恐竜の骨>という幻に仮託された、僕たち自身の大切なものへの思いである。その思いが深ければ深いほど人は切ない気持ちに成らざる得ない。生きていくことで失うものが、そこにはある。
昔、ここは沼だった。そういう記憶をいかに大切にするのか。この芝居はそこに眼目がある。