昨年暮れに見た園子温の『紀子の食卓』は2006年一番の衝撃作だった。あれから2ヶ月、早くも彼の新作が登場する。しかも、今回は初のメジャー映画である。ようやく園子温の時代到来か、とか思って、いの一番に劇場に駆けつけた。ブルク7で独占公開(それって単館公開でしょ)というのが、ちょっとどうだか気になったが、(全く宣伝もなくいきなり公開だし)予想通り2日目の日曜なのにがらがらだった。そして、映画自体も唖然とするような、出来だった。
園子温のイマジュネーションの世界なら、このくらいのことは、どうってことあるまい。ホラー映画なんてジャンルを完全に超越する究極の世界が体験できるものと信じてスクリーンを固唾を呑んで見守る。コンテナ一杯の人毛。その中に死体。伸び続ける髪の毛。体中の穴からどんどん髪の毛が生えてくる。その髪で作ったエクステを付けると死んでいった女の記憶が蘇る。そして、その髪が人間を襲う。
このとんでもない話を中心に、美容師見習いの栗山千明を主人公にした物語は有態の展開は見せない。全く先が読めないドラマがいったいどこに向かい、どういう帰着点を迎えるのか。ワクワクしながら、見ていたのだが、なぜか話は弾まない。それどころか、後半どんどん失速していくのはどういう訳か。ラストではなんと眠くなってしまった。どんなに凄いSFXを見せてくれても驚かないのはいつものことだ。CG技術はどんどん進歩してしまい、もうどんな事が起きてもスクリーンの中の人たちのようには驚きはしない。では、何に驚くかといえば、やはりストーリーの仕掛けと、その見せ方、それしかない。『紀子の食卓』はレンタル家族というアイデアをあそこまで見せたことが凄かったのだ。なのに、今回はせっかくの異常さが、生きてこない。
登場人物のそれぞれの行動に、全く意味がないから、いくら不気味でも、怖くない。大杉漣の髪の毛フェチの変態とか、つぐみの子供を虐待続ける母親とか、いつも怯えて謝り続ける彼女の娘とか、その常識を逸脱する設定は怖いが、それが、ストーリーと連動していかない。彼らの背景が何もないから、だんだん飽きてしまう。栗山千明に到っては、ただ長い髪が綺麗だから出てるだけではないか、と思うくらいに存在意義が乏しい。
エクステの呪い、なんていうアホな話でぐいぐい引っ張ってくれたはずなのに、それだけで何もないから、見終わった後には、疲労しか残らない。
園子温のイマジュネーションの世界なら、このくらいのことは、どうってことあるまい。ホラー映画なんてジャンルを完全に超越する究極の世界が体験できるものと信じてスクリーンを固唾を呑んで見守る。コンテナ一杯の人毛。その中に死体。伸び続ける髪の毛。体中の穴からどんどん髪の毛が生えてくる。その髪で作ったエクステを付けると死んでいった女の記憶が蘇る。そして、その髪が人間を襲う。
このとんでもない話を中心に、美容師見習いの栗山千明を主人公にした物語は有態の展開は見せない。全く先が読めないドラマがいったいどこに向かい、どういう帰着点を迎えるのか。ワクワクしながら、見ていたのだが、なぜか話は弾まない。それどころか、後半どんどん失速していくのはどういう訳か。ラストではなんと眠くなってしまった。どんなに凄いSFXを見せてくれても驚かないのはいつものことだ。CG技術はどんどん進歩してしまい、もうどんな事が起きてもスクリーンの中の人たちのようには驚きはしない。では、何に驚くかといえば、やはりストーリーの仕掛けと、その見せ方、それしかない。『紀子の食卓』はレンタル家族というアイデアをあそこまで見せたことが凄かったのだ。なのに、今回はせっかくの異常さが、生きてこない。
登場人物のそれぞれの行動に、全く意味がないから、いくら不気味でも、怖くない。大杉漣の髪の毛フェチの変態とか、つぐみの子供を虐待続ける母親とか、いつも怯えて謝り続ける彼女の娘とか、その常識を逸脱する設定は怖いが、それが、ストーリーと連動していかない。彼らの背景が何もないから、だんだん飽きてしまう。栗山千明に到っては、ただ長い髪が綺麗だから出てるだけではないか、と思うくらいに存在意義が乏しい。
エクステの呪い、なんていうアホな話でぐいぐい引っ張ってくれたはずなのに、それだけで何もないから、見終わった後には、疲労しか残らない。