よしもとばななを読んでいると、それだけで哀しい気分になる。相変わらず同じことを繰り返し繰り返し書き綴っている。小説としてはとても拙くこれってただの身辺雑記だよな、と思う。なのに、飽きもせずに新刊が出る度に読んでしまう。
40代の女性が主人公。彼女は一人で静かに暮らしている。決して豊かではないが、貧しくもなくただ慎ましく生きている。人生を投げたわけではない。だが、これから何かを始めようとはもう思っていない。周囲はまだ結婚して子どもを産んで幸せになれる、なんていらぬおせっかいを焼く。自分を不幸だなんて思ってないにのに哀れまれるのはなんだかやりきれない。人にはそれぞれの生き方があるのにそんな事を理解できない人が多すぎる。
ひょんなことから、従姉妹を預かることになる。従姉妹といってももう30代半ばの大人である。一人ぼっちの彼女と同居していく中で、彼女のいない生活なんて考えられなくなる。誰とも話す事もなく、いつも自分のペースで生きるチエちゃんは周囲からは疎んじられるが、私とはなぜか馬が合う。
ただ、二人の日々が淡々と綴られるだけである。この幸福が永遠に続くといい。しかし、いつかチエちゃんは自分のもとから離れていく。そんな予感が胸を締め付ける。これといった事件もなく、気付くと読み終わっていた。
チエちゃんが交通事故に合う場面から、始まり、彼女がかって暮らしていたオーストラリアのコミューンに行くエピソードを経て帰ってくるまで、まぁそれがとりあえずの話か。でも、そんな話には何の意味もない。この「きれいな時間、静かすぎて少し悲しい」時間がただ流れていくだけ。
初期の『キッチン』や『白河夜船』の頃から何ひとつ変わらない。自分の本能の赴くままに書き流していく。こんな人もいるんだ、と感心する。平易な文体で起伏もなくフラットな気持ちをサラリと描いていく。哀しいということを静かに綴る。それだけのことだ。
40代の女性が主人公。彼女は一人で静かに暮らしている。決して豊かではないが、貧しくもなくただ慎ましく生きている。人生を投げたわけではない。だが、これから何かを始めようとはもう思っていない。周囲はまだ結婚して子どもを産んで幸せになれる、なんていらぬおせっかいを焼く。自分を不幸だなんて思ってないにのに哀れまれるのはなんだかやりきれない。人にはそれぞれの生き方があるのにそんな事を理解できない人が多すぎる。
ひょんなことから、従姉妹を預かることになる。従姉妹といってももう30代半ばの大人である。一人ぼっちの彼女と同居していく中で、彼女のいない生活なんて考えられなくなる。誰とも話す事もなく、いつも自分のペースで生きるチエちゃんは周囲からは疎んじられるが、私とはなぜか馬が合う。
ただ、二人の日々が淡々と綴られるだけである。この幸福が永遠に続くといい。しかし、いつかチエちゃんは自分のもとから離れていく。そんな予感が胸を締め付ける。これといった事件もなく、気付くと読み終わっていた。
チエちゃんが交通事故に合う場面から、始まり、彼女がかって暮らしていたオーストラリアのコミューンに行くエピソードを経て帰ってくるまで、まぁそれがとりあえずの話か。でも、そんな話には何の意味もない。この「きれいな時間、静かすぎて少し悲しい」時間がただ流れていくだけ。
初期の『キッチン』や『白河夜船』の頃から何ひとつ変わらない。自分の本能の赴くままに書き流していく。こんな人もいるんだ、と感心する。平易な文体で起伏もなくフラットな気持ちをサラリと描いていく。哀しいということを静かに綴る。それだけのことだ。