前作『Hamlet!!!!!!!!~遊ぶ編~』から1ヶ月。もう新しい作品が見れる。3ヶ月連続公演のハムレットで遊ぶシリーズ最終編『創る』。だが、前作でやりたい事を遣り尽してしまった感がある。正直言って今回はかなりキツイのではないか、と思っていたが、さすが伊藤さんである。ただでは終わらせない。
坪内逍遥の翻訳を使用することで理屈よりも感覚を大事にしたのは今回の企画意図を明確にしている。完成版である今回の作品もロジックで見るようには出来ていない。70分というとても短い作品になった。全体をそのままやる訳ではない、のはわかっていたがここまで、はしょっていくとは大胆だ。その結果『ハムレット』のダイジェストになってしまったのは惜しい。結局突き詰めていくと別の作品として再構成するか、ダイジェストになるか、どちらかだったのだろうが、だが、それでも敢えてこの完結編を予定通り作り上げてしまった。
独立した作品としてこれだけを見ると、たぶんちょっと驚きの舞台になっているのではないか。ストーリーを弄るのではなく、その見せ方が本来のストーリーを異化していく過程がおもしろい。だが、それって前回もやっていることで、今回はそれがさらに洗練されただけだ。そういう意味でも今回は前作を超えていない。ただ、見やすくなったのは事実だ。コンパクトで視覚的にもとてもわかりやすい。シルエットと人形を使ったのも正解だった。
『ハムレット』をFrance_panが原作に忠実に上演していくと、こういう形になっていき、気付くとオリジナルとはまるで別方向を向く作品に変化している。それってなんだか凄い。オリジナルをたたき台にして、自分たちの作品に引き寄せていくというわけでもない。伊藤さんの忠実な読み方が、作品を変化させていくのである。その過程がリーディング、ワーキングプログレス、そして本公演と変貌していく中で、明確な形を見出していく。作品としての自由度という意味では前作には及ばないが、ある種の完成度に於いて、これはこの3ヶ月の冒険の集大成として成功している。
坪内逍遥の翻訳を使用することで理屈よりも感覚を大事にしたのは今回の企画意図を明確にしている。完成版である今回の作品もロジックで見るようには出来ていない。70分というとても短い作品になった。全体をそのままやる訳ではない、のはわかっていたがここまで、はしょっていくとは大胆だ。その結果『ハムレット』のダイジェストになってしまったのは惜しい。結局突き詰めていくと別の作品として再構成するか、ダイジェストになるか、どちらかだったのだろうが、だが、それでも敢えてこの完結編を予定通り作り上げてしまった。
独立した作品としてこれだけを見ると、たぶんちょっと驚きの舞台になっているのではないか。ストーリーを弄るのではなく、その見せ方が本来のストーリーを異化していく過程がおもしろい。だが、それって前回もやっていることで、今回はそれがさらに洗練されただけだ。そういう意味でも今回は前作を超えていない。ただ、見やすくなったのは事実だ。コンパクトで視覚的にもとてもわかりやすい。シルエットと人形を使ったのも正解だった。
『ハムレット』をFrance_panが原作に忠実に上演していくと、こういう形になっていき、気付くとオリジナルとはまるで別方向を向く作品に変化している。それってなんだか凄い。オリジナルをたたき台にして、自分たちの作品に引き寄せていくというわけでもない。伊藤さんの忠実な読み方が、作品を変化させていくのである。その過程がリーディング、ワーキングプログレス、そして本公演と変貌していく中で、明確な形を見出していく。作品としての自由度という意味では前作には及ばないが、ある種の完成度に於いて、これはこの3ヶ月の冒険の集大成として成功している。