アトム・エゴヤンの新作である。もうそれだけで最優先する。まるで情報なしでまず見に行く。だが、今回は彼の映画で初めて乗れない。最初は緊張感があって、ドキドキさせられた。だが、そのドキドキは後半急に減速する。本当ならそこから加速するところなのに。
3人の8歳の少年たちが行方不明になった。捜索するがなかなか見つからない。やがて、彼らは水死体となり発見される。警察は容疑者として、3人の高校生を逮捕する。魔女狩りよろしく、標的になった3人の少年たちは、死刑を求刑される。
見ながら、どうしてこんなにも緊張感がないのだろうか、と思った。サスペンスとしてドキドキさせない。事件の概要を描くのではない。とりあえずの主人公である探偵(コリン・ファース)が謎を解くわけでもない。3人の容疑者の内面は描かれない。殺された子供たちの家族の側の心情は丁寧に描かれていくのだが、真犯人を明らかにするわけではない。実際の事件を描くから、事件自体が解決していない以上、もちろん、それは不可能だ。警察の杜撰な捜査は糾明される。だが、真実は闇の中。
もちろん、それでもいい。だが、徐々に追い詰められていく無罪の少年たちの空虚な内面をもっと突き詰めて描いて欲しかった。これでは、どこに、焦点を絞って見たならばいいのか、わからないから、後半、だんだん醒めてしまうのだ。
とても怖い話だし、アトム。・エゴヤンらしい素材なのに、どうしてこんなふうになったのだろうか。事件と関わるさまざまな人々のそれぞれの心情を丁寧に描いてある。それだけに、どこにも落とし所がないのが惜しい。落とし所は、犯人探しなんかではないことは明白だろう。スケープゴートにされた3人たちだけでなく、この村のすべての人たちが、なんだかあやしい。
アメリカの田舎町を舞台にした差別と偏見の猟奇犯罪ドラマって今までもたくさんあったけど、アトム・エゴヤンの手にかかったら、今までにはなかったものが生まれると、期待したのに、残念な作品になった。
3人の8歳の少年たちが行方不明になった。捜索するがなかなか見つからない。やがて、彼らは水死体となり発見される。警察は容疑者として、3人の高校生を逮捕する。魔女狩りよろしく、標的になった3人の少年たちは、死刑を求刑される。
見ながら、どうしてこんなにも緊張感がないのだろうか、と思った。サスペンスとしてドキドキさせない。事件の概要を描くのではない。とりあえずの主人公である探偵(コリン・ファース)が謎を解くわけでもない。3人の容疑者の内面は描かれない。殺された子供たちの家族の側の心情は丁寧に描かれていくのだが、真犯人を明らかにするわけではない。実際の事件を描くから、事件自体が解決していない以上、もちろん、それは不可能だ。警察の杜撰な捜査は糾明される。だが、真実は闇の中。
もちろん、それでもいい。だが、徐々に追い詰められていく無罪の少年たちの空虚な内面をもっと突き詰めて描いて欲しかった。これでは、どこに、焦点を絞って見たならばいいのか、わからないから、後半、だんだん醒めてしまうのだ。
とても怖い話だし、アトム。・エゴヤンらしい素材なのに、どうしてこんなふうになったのだろうか。事件と関わるさまざまな人々のそれぞれの心情を丁寧に描いてある。それだけに、どこにも落とし所がないのが惜しい。落とし所は、犯人探しなんかではないことは明白だろう。スケープゴートにされた3人たちだけでなく、この村のすべての人たちが、なんだかあやしい。
アメリカの田舎町を舞台にした差別と偏見の猟奇犯罪ドラマって今までもたくさんあったけど、アトム・エゴヤンの手にかかったら、今までにはなかったものが生まれると、期待したのに、残念な作品になった。