これは昨年の劇場公開時にはあまりの上映期間の短さから、とても見たかったのに、見に行けなかった大期待の1作である。確かシネヌーヴォーでの中国映画の特集上映の1本として上映されたのではないか。ようやくDVDでだが、見ることが叶った。
しかし、僕の勝手な期待が大きすぎて、出来上がったものとの落差に、一人勝手にがっかりした。まぁ、こんなことはよくあることだ。どんまい。『息もできない』クラスの傑作を期待していたのだからあまりにハードルが高すぎたのかもしれない。
現代の北京を舞台にしたデ・シーカの『自転車泥棒』へのオマージュである。だから、主人公の青年が仕事のために必要な大事な自転車を盗まれることになる。必死になって捜すがもちろん見つからない。自転車がないと宅配便の仕事も出来ない。自ずと仕事はクビになる。田舎から出てきて貧しくて、でも真面目に働いていたのに。ここまでが前半。
その後、話は変わって、盗まれた自転車を中古車として買った高校生の話となる。後半はこの2人のドラマとなっていく。やがて彼らはこの1台の自転車をシェア(マジティの『運動靴と赤い金魚』みたいだ!)して、なんとラストでは2人の間には、へんてこな友情のようなものまで生まれてくる。お互いが初めて名乗りあうシーンが素敵だ。あそこで絶対終わるのだと思ったのだが、まだまだ続く。
今の中国のさまざまな事情がこの小さな話には盛り込まれている。胸が痛い。しかし、見せ方があまりにしつこすぎて、映画としてはちょっともどかしい。こんなにもゴツゴツした作品にはせずに、もっとスタイリッシュに作ればいいのに、と思うのだが、わざと口当たりよくならないようにしたのかもしれない。監督はワン・シャオシュアイ。彼の今後の活躍に期待したい。と、ここまで書いてみて、チラシを見ると、この作品が2000年の作品と気付く。えっ、これは10年前の映画なのか。なんで今まで公開されなかったのだろうか。なんで今頃新作として公開されたのだろうか。謎だ。
しかし、僕の勝手な期待が大きすぎて、出来上がったものとの落差に、一人勝手にがっかりした。まぁ、こんなことはよくあることだ。どんまい。『息もできない』クラスの傑作を期待していたのだからあまりにハードルが高すぎたのかもしれない。
現代の北京を舞台にしたデ・シーカの『自転車泥棒』へのオマージュである。だから、主人公の青年が仕事のために必要な大事な自転車を盗まれることになる。必死になって捜すがもちろん見つからない。自転車がないと宅配便の仕事も出来ない。自ずと仕事はクビになる。田舎から出てきて貧しくて、でも真面目に働いていたのに。ここまでが前半。
その後、話は変わって、盗まれた自転車を中古車として買った高校生の話となる。後半はこの2人のドラマとなっていく。やがて彼らはこの1台の自転車をシェア(マジティの『運動靴と赤い金魚』みたいだ!)して、なんとラストでは2人の間には、へんてこな友情のようなものまで生まれてくる。お互いが初めて名乗りあうシーンが素敵だ。あそこで絶対終わるのだと思ったのだが、まだまだ続く。
今の中国のさまざまな事情がこの小さな話には盛り込まれている。胸が痛い。しかし、見せ方があまりにしつこすぎて、映画としてはちょっともどかしい。こんなにもゴツゴツした作品にはせずに、もっとスタイリッシュに作ればいいのに、と思うのだが、わざと口当たりよくならないようにしたのかもしれない。監督はワン・シャオシュアイ。彼の今後の活躍に期待したい。と、ここまで書いてみて、チラシを見ると、この作品が2000年の作品と気付く。えっ、これは10年前の映画なのか。なんで今まで公開されなかったのだろうか。なんで今頃新作として公開されたのだろうか。謎だ。