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映画・演劇のレビュー

『トカゲの可愛い嘘』

2007-05-06 07:16:09 | 映画
 これはひそかな傑作かも、と思わせる素晴らしいオープニング。期待は高まる。韓国の田舎の風景がとても美しい。少年と少女の出会いがその風景の中で見事に捉えられてある。そして、高校生になった2人の再会シーンも素敵だし、前半戦はかなり高得点の映画。

 『猟奇的な彼女』に迫るとってもチャーミングな韓国映画の新しい宝石の誕生か、とワクワクさせられたのだが、後半少しずつ繰り返しがひつこくて単調になってしまい、ラストでは「おいおい、おまえはメル・ギブソンかい!」とつっこみを入れたくなるとうなアホなストーリー展開についていけなくなりあえなく撃沈する。(シャマランの『サイン』のパクリのような話になる)

 雨でもないのに黄色いカッパを着て、胸ポケットにはかわいいトカゲを入れている少女との運命的な出会い。彼女をひたすら想い続ける長い長い歳月。この不思議ちゃんの秘密と、彼女のために彼が出来ること。それが、2人の出会い、別れの繰り返しの中で描かれていく。無理矢理難病ものにしてしまうのは韓国映画にはよくあるパターンとはいえ(『連理の枝』なんて凄かった)これはあんまりでついていけない。それに追い討ちをかけるような宇宙人との遭遇である。想定外のストーリー展開とかいうレベルではなく、せっかくのバランスを壊してしまうような強引な展開にずっこけてしまった。

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