今年大ヒットしたTVドラマを3日に分けて見た。第1回を見た時、さすがに驚いた。こんなドラマは今まで日本にはなかったはずだ。凄まじいスケールの超大作である。どれだけの予算を投入したか、と思う。長期間のモンゴルロケを敢行してさまざまな困難を乗り越え作った。砂漠での撮影も普通じゃない圧倒的なスケール。TVサイズには収まらない迫力。
お話自体のスケールも破格のレベル。よくもまぁこれだけの壮大なドラマを考えたものだ。しかもそれを実現した。セリフもなんと半分くらいがモンゴル語である。主演の堺雅人、阿部寛を始めとするキャストの苦労が偲ばれる。これを実現して作るためにはあり得ないような大変な困難があったことだろう。
1話だけでも映画1本分くらいの熱量で、満足した。もちろんそれだけではない。話はそこからまさかの展開を遂げる。4話のラストの唖然とする展開にはびっくりした。
第二章になる5話の新展開も凄いが、その後役所広司の登場から話が少しスケールダウンする。ラスボスが父親だったって、なんか安易。『スター・ウォーズ』じゃないんだから、ね。しかも二宮和也の弟が父の片腕で、なんていうのも、なんだかなぁ、である。7話まで来て佳境に入り、パワーダウンする。ここで休憩。
今日残りの3話を見た。やはり残念ながら結末は辻褄合わせにしかならない。特に9話の父親が過去を振り返って語るエピソードは見ていてしんどかった。感傷的な劇伴も安っぽい。まさかのラストももう驚かない。確かに今年一番のドラマだけど、、、なんだか微妙。
どうしてあんな終わり方をするかなぁ。父殺し描いてもいいけど、それを感傷過多に描くのは日本映画の悪癖だと思う。『砂の器』の時代から変わらない。父殺しの映画なら僕は断固『青春の殺人者』を支持する。まぁ、まるで違う世界の映画だが。