こういうとことん観念的な芝居を、とても柔らかなタッチで樋口さんが綴れるようになったということが、とてもうれしい。わざと難解にする必要はない。でも、わかりやすく作ることもない。無理せず自然体でこの感覚的なドラマを組み立てる。感じたまま、そのまんま提示するのだ。理屈よりも感性を大切にするって、本当はとても難しいことなのだが、それをどちらかというと理屈の人である樋口さんが軽々と乗り越えていく。
妊婦(出口弥生)と男(サカイヒロト)は電車に揺られている。並んで座る2人のやりとりから始まる。車窓から眺める風景を彼らは見ていない。下を向いたまま。2人は夫婦なのか、
そして紙袋の男とパンフにはクレジットされている松原タニシ演じる男と妻(ののあざみ)のやりとり。彼はすぐに偶然出会ったわけのわからない人間を家に連れてきて泊めてしまう。帰る場所のない知らない人を連れてくるのだ。その日は紙袋を被った男(サカイ)を家に上げた。妻はそんな夫にブチ切れてしまう。
2人の男は互換性のある存在。そして匿名の存在(紙袋)と顔を持った自分(というか、本体としての自分)とはイコールだ。彼らはこの列車に乗って、どこに行くのか。
そこでは、人と人とのかかわり、男女の関係性が自由に描かれる。まるでエッセイでも読むようにこの芝居を見た。ただその流れに身を任せるだけでいい。とても心地よい眠りに誘われる。(実はほんの少し居眠りをしてしまった。レイトショーで見たのでとても疲れていたのです。ごめんなさい。)ただ、彼らの旅に寄り添う。どこに向かうのか。きっと彼らにもわからないのだろう。でもそれでいい。
妊婦(出口弥生)と男(サカイヒロト)は電車に揺られている。並んで座る2人のやりとりから始まる。車窓から眺める風景を彼らは見ていない。下を向いたまま。2人は夫婦なのか、
そして紙袋の男とパンフにはクレジットされている松原タニシ演じる男と妻(ののあざみ)のやりとり。彼はすぐに偶然出会ったわけのわからない人間を家に連れてきて泊めてしまう。帰る場所のない知らない人を連れてくるのだ。その日は紙袋を被った男(サカイ)を家に上げた。妻はそんな夫にブチ切れてしまう。
2人の男は互換性のある存在。そして匿名の存在(紙袋)と顔を持った自分(というか、本体としての自分)とはイコールだ。彼らはこの列車に乗って、どこに行くのか。
そこでは、人と人とのかかわり、男女の関係性が自由に描かれる。まるでエッセイでも読むようにこの芝居を見た。ただその流れに身を任せるだけでいい。とても心地よい眠りに誘われる。(実はほんの少し居眠りをしてしまった。レイトショーで見たのでとても疲れていたのです。ごめんなさい。)ただ、彼らの旅に寄り添う。どこに向かうのか。きっと彼らにもわからないのだろう。でもそれでいい。