今月も時間の許す限り、見逃していた貴重な映画をTUTAYAでフォローした。1本1本にちゃんと触れたいけど、なかなか時間が取れなくて、そのうち、それらの素敵な映画が、もうどんどん記憶の果てになる。
8本見た。そのどれもが面白い。どちらかというと、同時期に劇場で見た映画よりも素晴らしい作品が多い。まぁ、膨大な量の映画がリリースされているのだから、その中から厳選した作品である、当たり前の話だろう。
少しがっかりした作品から始めよう。ギャスパー・ノエの『LOVE』だ。成人指定の3D映画として公開された過激な映画のはずなのに、描写は確かに過激だけど、お話自体はまるで平凡で、要するに、はったり映画だった。これでは、ただの、どこにでもある恋愛映画でしかない。今ではかわいい子供もいて、きれいな妻もいる主人公が、昔の恋人がいなくなったということを知り、ショックを受けるところから始まり、彼女との出会い、別れまでが描かれる。若かりし日の恋の回顧録のような映画なのだ。そこに恋愛の普遍を描こうとしたのなら、おこがましい。3Pとか、エロ満載で、くだらない。いつも過激で刺激的なノエ監督なのだが、今回はダメ。
他の映画はそれぞれ期待通りか、期待以上の作品だった。ジョン・ワッツの『コップ・カー』も期待ほどではなかったけど、もし、何も知らないままこれを見たならきっとちょっと興奮して喜んだかもしれない。だから、ここには何も書かない。前作『クラウン』もあまりにキネ旬が煽りすぎたから、がっかりしたのだ。
さて、今月ベスト3は、まず、ノルウェー映画のベント・ハーメル監督『1001グラム ハカリ知れない愛のこと』。今までの作品(『キッチンストーリー』『ホルテンさんのはじめての冒険』)が素晴らしかったから、それ以上ではないのだが、それでもこのへんてこな話をここまで淡々と見せながらなんてことなく終わらせるって、凄すぎる。今回はハカリが重要なモチーフとして登場する。国際基準となる各国の基盤となるハカリがあり、ハカリ学会とか、出てきて、彼女はその道のエキスパート。しかし、現実は、ハカリ知れないことばかり。父の突然の死。夫の出奔。人生なかなかうまくいかないことばかり。その上ノルウェーの基盤となる大事なハカリを壊してしまうし。そんな中、出会いがあり、いきなりのハッピーエンド。なんだよ、それ。と、思わせるような展開。なのに、それを淡々とやられ、90分。なんかけむに巻かれたような映画で、キツネにつままれた気分。
カンヌ映画祭、パルムドール受賞のジャック・オディアール『ディーバンの闘い』も、壮大なスケールで送る「娘をたずねて3千里」とでも言うべきファティ・アキン『消えた声がその名を呼ぶ』も素晴らしかったけど、こういう重い映画は、DVDではなく、劇場で見たかった。
そんな中で今月のベストはハンガリー映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』。これには驚かされる。こんなストーリーなんてありえない。しかも、SFとかではない。冒頭でおびただしい数の犬たちが誰もいない町を走るシュールなシーンを見せられる。驚きは最初に提示される。しかし、そこに至るお話がふつうのお話なのに、それが確かにあのラストへと加速していくのだ。なんともまたすごい映画だ。
8本見た。そのどれもが面白い。どちらかというと、同時期に劇場で見た映画よりも素晴らしい作品が多い。まぁ、膨大な量の映画がリリースされているのだから、その中から厳選した作品である、当たり前の話だろう。
少しがっかりした作品から始めよう。ギャスパー・ノエの『LOVE』だ。成人指定の3D映画として公開された過激な映画のはずなのに、描写は確かに過激だけど、お話自体はまるで平凡で、要するに、はったり映画だった。これでは、ただの、どこにでもある恋愛映画でしかない。今ではかわいい子供もいて、きれいな妻もいる主人公が、昔の恋人がいなくなったということを知り、ショックを受けるところから始まり、彼女との出会い、別れまでが描かれる。若かりし日の恋の回顧録のような映画なのだ。そこに恋愛の普遍を描こうとしたのなら、おこがましい。3Pとか、エロ満載で、くだらない。いつも過激で刺激的なノエ監督なのだが、今回はダメ。
他の映画はそれぞれ期待通りか、期待以上の作品だった。ジョン・ワッツの『コップ・カー』も期待ほどではなかったけど、もし、何も知らないままこれを見たならきっとちょっと興奮して喜んだかもしれない。だから、ここには何も書かない。前作『クラウン』もあまりにキネ旬が煽りすぎたから、がっかりしたのだ。
さて、今月ベスト3は、まず、ノルウェー映画のベント・ハーメル監督『1001グラム ハカリ知れない愛のこと』。今までの作品(『キッチンストーリー』『ホルテンさんのはじめての冒険』)が素晴らしかったから、それ以上ではないのだが、それでもこのへんてこな話をここまで淡々と見せながらなんてことなく終わらせるって、凄すぎる。今回はハカリが重要なモチーフとして登場する。国際基準となる各国の基盤となるハカリがあり、ハカリ学会とか、出てきて、彼女はその道のエキスパート。しかし、現実は、ハカリ知れないことばかり。父の突然の死。夫の出奔。人生なかなかうまくいかないことばかり。その上ノルウェーの基盤となる大事なハカリを壊してしまうし。そんな中、出会いがあり、いきなりのハッピーエンド。なんだよ、それ。と、思わせるような展開。なのに、それを淡々とやられ、90分。なんかけむに巻かれたような映画で、キツネにつままれた気分。
カンヌ映画祭、パルムドール受賞のジャック・オディアール『ディーバンの闘い』も、壮大なスケールで送る「娘をたずねて3千里」とでも言うべきファティ・アキン『消えた声がその名を呼ぶ』も素晴らしかったけど、こういう重い映画は、DVDではなく、劇場で見たかった。
そんな中で今月のベストはハンガリー映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』。これには驚かされる。こんなストーリーなんてありえない。しかも、SFとかではない。冒頭でおびただしい数の犬たちが誰もいない町を走るシュールなシーンを見せられる。驚きは最初に提示される。しかし、そこに至るお話がふつうのお話なのに、それが確かにあのラストへと加速していくのだ。なんともまたすごい映画だ。