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映画・演劇のレビュー

江國香織『はだかんぼうたち』

2013-06-18 22:07:57 | その他
前作『ちょうちんそで』の方法を引き継いで、今回も複数の人たちの日常スケッチでしかないような短いドラマにすらならないようなエピソードをどんどん羅列して、「はだかんぼう」になる男女の日々を綴る。

 最初は誰が誰で、どうなっているのか、よくわからない。でも、全然気にしないで話は進んでいく。一応中心人物はいる。歯科医である35歳の桃と、彼女の親友で4人の子持ち、専業主婦の響子。2人とその周辺のさまざまな人物。死んでしまった響子の母(彼女の葬式の場面から始まる)の恋人だった山口。桃の恋人で響子に横恋慕する鯖崎。桃の両親、姉、響子の夫、子供たち、その他大勢。

何をどうして、どうしたいのか。人間は自分でも自分がよくわからないようだ。そんなわけのわからない自分を持て余し、そんな自分を大切にしながら、生きていく。その先には何があるのだろうか。ここには特別な事件なんてないけど、彼らの動向から目が離せない。



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