もちろん公開時に劇場で見ているけど、それ以降見ることはなかった。だから22年ぶりの対面だ。僕は今は基本新作しか見ない主義なのだが、今回『マトリックス』の新作『レザレクションズ』が公開されるのに合わせて劇場に向かう直前である今、復習のためにもう一度見てみようと思った。それにしても今の時代はほんとうに便利だ、旧作だって簡単に配信ですぐに見られるし(盛んに見ることを促されるし)だから、「じゃぁ、ちょいと、」とも思える。
それでも普通なら〈それでも見ない〉のが僕なのだけど、今回見たのには理由がある。あんなにも有名な映画なのに、なんとなくどんな映画だったのか忘れていたからだ。連続して公開された続編であるシリーズ2,3作からも10年以上経つ。一世を風靡したSF映画の古典的名作として誰もが認める映画は今見ても古びてはいないのか、そこも気になった。この手の映画は時代があまりものスピードで変わっていくから、当時は斬新でも今では噴飯もの、という場合だってあるのではないか。そんところも含めてマニアではないから初めて見る気分で再会できる。
前半は、既視感はなかった。まるで初めて見るような新鮮さ。ストーリーは覚えていたけど、細部は一切憶えていなかったから、ドキドキさせられた。視覚効果も斬新で、古くない。今、なんばのアイマックスで再上映しているけど、そこで見たらもっと楽しいかもしれない。後半はストーリーも単純になり、記憶は鮮明によみがえってきた。2時半16分の長尺映画だけど、全く飽きささないし、一瞬だった。とてもよくできている。
これはやはりSF映画の古典として歴史に残すべき一作だと思った。それだけに今これを再びよみがえらせる意味はどこにあるのか。今なら何ができるのか、何をなすべきなのか、と気になることばかりだ。安易な映画にはなっていないはずだ。とても楽しみ。明日、エキスポのアイマックス・スクリーンに見に行こうと思っている。(『デューン 砂の惑星』を通常スクリーンで見て後悔したので、今回はそのへんも気をつける)