北海道の朝鮮学校を取材したドキュメンタリー映画なのだが、淡々とした見せ方なのに、見終えたとき、深い感動に包まれる。様々なことが頭をよぎる。こんなに考えさせられる映画って、なかなかない。だが、これはメッセージ色の強いプロパガンダではない。政治的な色メガネでは見ないで欲しい。ただ純粋にこの映画が描く世界を目の当たりにするだけでいい。
だが、マンギョンボン号で北朝鮮に修学旅行に行くシーンにはドキドキさせられた。北海道から新潟へ飛行機で飛び、そこから北朝鮮に渡る。同行を望んだ監督のキム・ミョンギュンはそれが許させない。韓国国籍の彼は北には行けない。分断された祖国ゆえ、同じ朝鮮人であるのに拒否される。そのあたりまえの事実を見た時、映画に緊張が高まる。生徒たちは2週間の旅を終えて帰ってくる。その時新潟ではマンギョンボン号の入港拒否のデモが行われている。
緊張の中、明るい笑顔で帰国(?)した生徒たち。自分たちを温かく迎えてくれた祖国。彼らは自分たちの見たものを信じる。もちろん当局は彼らに北のマイナス面なんか一切見せなかっただろう。だが、彼らが見てきたものは、彼らにとって真実の北朝鮮の姿だ。僕たちは報道によってゆがめられたイメージを、さも正しいもののように思い理解した気になっているだけなのかもしれない。在日朝鮮人に対する韓国の切捨てに対し、北朝鮮の親身な対応という事実も含め、いろんなことを真摯に受け止めなくてはなるまい。
同行できないため、監督が生徒に持たせたビデオカメラが捉えた映像から彼らの現地での出来事を知る。そこには恣意的なものはない。純粋な彼らの感動が撮影させる。そこからまた、さまざまなことが感じられる。
この映画は韓国人の監督であるキム・ミョンギュンが、日本の北海道朝鮮小中高等学校にやってきて、ここで3年もの歳月をかけて作り上げたドキュメンタリーだ。生活を共にして彼らの暮らしの中に入ることから彼の映画作りは始まる。そんな姿勢が見えてくるから、この映画は信じられるし、素直に伝わってくる。
韓国、北朝鮮、そして日本。在日、北海道、教育。様々な問題がこの映画の背景にはある。映画はとても複雑な綾を紡ぎあげる。そんな中、高3生の1年間を中心にして、この学校での日常をまず丹念に捉えていく。それに終始する。「ウリハッキョ」というストレートなタイトルを持つこの映画のそのストレートな描写は僕たちに学校というものの在り方を、その複雑な背景を抜きにして(まぁ、抜きにしては成立しないのだが)教えてくれる。
先生と生徒がこんなふうにとても身近にいて、いっしょに生きている。教育現場って本当はこんなふうにあるべきだろう、と思う。いろんな意味でギリギリのところで危機感を持ちながらも、自分たちの信念を曲げることなく、生きている。そんな姿に感動させられる。
だが、マンギョンボン号で北朝鮮に修学旅行に行くシーンにはドキドキさせられた。北海道から新潟へ飛行機で飛び、そこから北朝鮮に渡る。同行を望んだ監督のキム・ミョンギュンはそれが許させない。韓国国籍の彼は北には行けない。分断された祖国ゆえ、同じ朝鮮人であるのに拒否される。そのあたりまえの事実を見た時、映画に緊張が高まる。生徒たちは2週間の旅を終えて帰ってくる。その時新潟ではマンギョンボン号の入港拒否のデモが行われている。
緊張の中、明るい笑顔で帰国(?)した生徒たち。自分たちを温かく迎えてくれた祖国。彼らは自分たちの見たものを信じる。もちろん当局は彼らに北のマイナス面なんか一切見せなかっただろう。だが、彼らが見てきたものは、彼らにとって真実の北朝鮮の姿だ。僕たちは報道によってゆがめられたイメージを、さも正しいもののように思い理解した気になっているだけなのかもしれない。在日朝鮮人に対する韓国の切捨てに対し、北朝鮮の親身な対応という事実も含め、いろんなことを真摯に受け止めなくてはなるまい。
同行できないため、監督が生徒に持たせたビデオカメラが捉えた映像から彼らの現地での出来事を知る。そこには恣意的なものはない。純粋な彼らの感動が撮影させる。そこからまた、さまざまなことが感じられる。
この映画は韓国人の監督であるキム・ミョンギュンが、日本の北海道朝鮮小中高等学校にやってきて、ここで3年もの歳月をかけて作り上げたドキュメンタリーだ。生活を共にして彼らの暮らしの中に入ることから彼の映画作りは始まる。そんな姿勢が見えてくるから、この映画は信じられるし、素直に伝わってくる。
韓国、北朝鮮、そして日本。在日、北海道、教育。様々な問題がこの映画の背景にはある。映画はとても複雑な綾を紡ぎあげる。そんな中、高3生の1年間を中心にして、この学校での日常をまず丹念に捉えていく。それに終始する。「ウリハッキョ」というストレートなタイトルを持つこの映画のそのストレートな描写は僕たちに学校というものの在り方を、その複雑な背景を抜きにして(まぁ、抜きにしては成立しないのだが)教えてくれる。
先生と生徒がこんなふうにとても身近にいて、いっしょに生きている。教育現場って本当はこんなふうにあるべきだろう、と思う。いろんな意味でギリギリのところで危機感を持ちながらも、自分たちの信念を曲げることなく、生きている。そんな姿に感動させられる。