2022年の読書はなんと年間300冊を達成した。きっと史上最高記録だろう。厳密にいうと、5冊は途中で放棄したものも含むので、300冊ではない。そのなかには岸政彦(編)『東京の生活史』なんてのも含まれる。なんと上下2段で1200ページ越えである。さすがにこれはピックアップした一部しか読めなかった。12月31日から読み始めた『陽だまりの果て』も1月1日に残り半分を読んだから、それも除くと294冊なのだけど、まぁ、なんとか300冊ということにしておこう。
ほぼ毎日1冊のペースだ。児童書やYA小説と分類されるような本(30冊程度か)も含むけど、よく読んだものだ。昔、(目黒考二のように)仕事で本を読むと給料をもらえるなんてのに憧れたけど、そんな都合のいい仕事はない。書評家とか映画評論家とかで食べていけるといいな、とも思ったけど、書くことではなく読むこと(映画も、見ることが)が好きなので、ちょっと違うし。
それにしても膨大な読書量だ。(僕としては)仕事を辞めたのは大きい。今まで忙しすぎた。なのにそんな中でよく毎年、180冊くらい読めていたものだとも思う。今回読んだ本の中で凄かったものをリストアップすると100冊以上になった。そのなかから厳選しての10冊だ。でも、1月から6月くらいまでで読んでいる本は内容すら忘れている。そんなこんなで演劇と同じでどうしても最近読んだ本を上位に入れてしまった。仕方ない。それと、ベストテンは2022年刊行の本だけを対象にした。
でも、1月から6月の読書は2021年刊行の本が多い。それから数は少ないけど2021年以前の本も2,30冊くらいある。僕は今は基本新刊しか読まない方針なのだが、どうしてもそれだけ、というわけにはいかない。そして、そこには凄い本がたくさんあるのも事実だ。でも、そういう本はこの今回のベストテンからは削除している。ということで、以下でベストテン発表。
1位 タラント (角田光代)
2位 光のとこにいてね。(一穂ミチ)
3位 過怠 (谷村志穂)
4位 ついでにジェントルメン (柚木麻子)
5位 若葉荘の暮らし (畑野智美)
6位 水底のスピカ (乾ルカ)
7位 わがままな選択 (横山拓也)
8位 月の立つ林で (青山美智子)
9位 博士の長靴 (瀧羽麻子)
10位 空と大地が出会う夏(濱野 京子)
次点 ゴールドサンセット(白尾悠)
10位は一応児童文学作品だけど、素晴らしい出来。YA部門なら、小手鞠るい(昨年僕が一番たくさん読んでいたのは彼女の本だった。なんと新刊だけで10冊近く出ているのではないか。しかも児童文学から絵本、純文学まで多岐に渡る)『ごはん食べにおいでよ』が最高。選外には、寺地はるな『タイムマシンに乗れないぼくたち』や戸森しるこ『11月のマーブル』、有吉玉青『ルコネサンス』、吉野万理子『恋愛問題は止まらない』、瀬尾まいこ『掬えば手に』、彩瀬まる『かんむり』とか、全部女性作家ばっかりだ。大人気の原田ひ香も多数あるし。ベストテンでの唯一の男性作家は劇作家の横山拓也さんのデビュー作のみ。
ついでに2022年に読んだ2021年刊行小説ベスト5
1位 『星を掬う』(町田そのこ)
2位 『求めよ さらば』(奥田亜希子)
3位 『自転しながら公転する』(山本文緒)
4位 『ソラモリさんとわたし』 (はんだ浩恵)
5位 『ひとりでカラカサさしていく』(江國香織)
どこまでいっても女性作家ばかりだ。別に男性作家の本を読んでいないわけではないのに。(でも50冊くらいかも)