当日いただいたパンフには「台詞と詩と手紙、朗読劇の為の台本」とある。そういうことだったのか、と後で気付く。
まるで何も知らないまま見始めたので、最初は驚いた。いくつもの手紙を読むという行為。そこには一貫性がない。個々のテキストの関係性がなく、独立したものが提示させる。それが1時間ほどの芝居というスタイルの中で提示される。そんなスタイルにとまどう。
還付される郵便。宛先不明のままでポストに入れてしまった手紙を回収。その時、間違えてそこに入っていた遺書まで持ってきてしまう。手紙を開封して、中身を確認することで、手掛かりを見つけて返却、または送付するなんてことを郵便局がしているはずもないから、そこはフィクションなのだろう。描かれるドラマ部分にストーリー性が希薄で、そこが興味深い気もするけど、ただ、1本の劇作品としてこれを見たなら、掴みどころがなく、どう理解したらいいのか、いささか戸惑うのは事実だ。つまらないわけではないけど、描かれる内容が受け止め手であるこちらにまで届かない。心に入ってこないのだ。言葉はそれだけで終わってしまい、積もってはいかないから上滑りしていく。
読まれる手紙の数々はつながりとして描かれないし、役者たちが読むという行為も、単独の手紙は詩以上に淡くて、心に残らない。もっと明確な1本のドラマという機構の中で作られたなら、わかりやすい作品になったのだが、この実験的なスタイルが、作品自体を中途半端な印象にとどめてしまった。
まるで何も知らないまま見始めたので、最初は驚いた。いくつもの手紙を読むという行為。そこには一貫性がない。個々のテキストの関係性がなく、独立したものが提示させる。それが1時間ほどの芝居というスタイルの中で提示される。そんなスタイルにとまどう。
還付される郵便。宛先不明のままでポストに入れてしまった手紙を回収。その時、間違えてそこに入っていた遺書まで持ってきてしまう。手紙を開封して、中身を確認することで、手掛かりを見つけて返却、または送付するなんてことを郵便局がしているはずもないから、そこはフィクションなのだろう。描かれるドラマ部分にストーリー性が希薄で、そこが興味深い気もするけど、ただ、1本の劇作品としてこれを見たなら、掴みどころがなく、どう理解したらいいのか、いささか戸惑うのは事実だ。つまらないわけではないけど、描かれる内容が受け止め手であるこちらにまで届かない。心に入ってこないのだ。言葉はそれだけで終わってしまい、積もってはいかないから上滑りしていく。
読まれる手紙の数々はつながりとして描かれないし、役者たちが読むという行為も、単独の手紙は詩以上に淡くて、心に残らない。もっと明確な1本のドラマという機構の中で作られたなら、わかりやすい作品になったのだが、この実験的なスタイルが、作品自体を中途半端な印象にとどめてしまった。