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映画・演劇のレビュー

『ローグワン スターウォーズ・ストーリー』

2016-12-20 22:07:46 | 映画
なんとこれはエピソード4(要するに最初の『スターウォーズ』ね)の直前を描くスピンオフ作品。昨年復活したシリーズ7作目、エピソード7『フォースの覚醒』に続いて2年連続でお正月映画にスターウォーズが登場した。



これからは毎年『スターウォーズ』が見られるようだ。それはファンにとっては喜ばしい出来事だろうが、僕はもう2作目で飽きてしまった。『スターウォーズ』自体は好きだからうれしかったけど、なんだか有難味がない。



しかも、このスピンオフというのがなんだかモッタイをつけるようで気に入らない。本編に劣るようで。本編に箔をつけるための企画って感じで、感じ悪い。本編よりも低予算で作られた作品、というわけではない。それどころか、かなり気合が入っていて本シリーズと比べても損傷はない。でも、『外伝』というのは分が悪い。



今回、中国からチャン・ウェンや、ドニー・イエンを招聘しての新機軸も、なんだか中華圏での興行成績を期待しただけのあざとい戦略に見えてしまいなんか素直に喜べない。



映画自体が文句なく面白ければ、こんなつまらないことを書くわけはない。要するにそこなのだ。なんだか、乗れなかったのだ。迫力のある大作映画で、スターウォーズを名乗ることには異議はない。だが、昨年の『フォースの覚醒』を見た後だから、どうしてもあの映画以上のものを期待してしまう。もっと別角度からのアプローチは出来なかったのか。目先のことだけで、これではまるで新鮮ではない。



主人公にも、魅力がないし、彼らが戦う根拠や、その戦い方にもパターンを出るものが何もない。ダースベイダーが登場しても、それは当たり前の話で、それだけでは感動しない。『ゴジラ』のギャレス・エドワーズ監督は手慣れたタッチで及第点の映画を作っただけ。それではこの場合誰も納得しないのではないか。シリーズものの映画であろうとも、いや、今の時代それゆえに、1本1本が独立して、前作以上のものを作らなくては観客に飽きられてしまう。トム・クルーズが毎回不可能なミッションに挑むあのシリーズのようなアプローチがなくては『スターウォーズ』というブランドだけでは生き残れないのではないか。公開4日目の夜の回、梅田の劇場なのにガラガラだった。
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