これはたぶん「タイムトラベルもの」なのだが、なかなかよく出来ているし、一風変わった映画だ。一度、死んでしまったはずの人間が、死なずに生き続ける。だが、事故で再び死ぬ。なのに、死なない。人体実験に供されて、体は弱り、やがて再び、というか三度だが、死ぬ運命にある。拘束され、仮死状態のまま棺桶のような狭い空間に(死体安置所か)閉じ込められる。すると、そこでタイムトラベルして、未来に行き、そこで自分が死んでいることを知る。1993年と2007年という2つの時間を行き来して、自分と、未来で出逢った女性(彼女は、2度目に死ぬ直前出逢った少女の14年後だ!)の運命を変えていく。タイムリミットまであと4日、何が出来るのか。運命を変えるのだ。ちょっと『バタフライ・エフェクト』と似ている。
それにしても、とても変な映画だ。でも、この変さは好き。よく話がわからないまま、でも、どうなるのか、ドキドキして見続ける。ストーリーはかなり無茶苦茶だが、こういう大胆な発想って、悪くない。ちょっとくらい破綻があっても、面白ければいい。タイムトラベルとは言え、2つの時間のどちらにも本当は存在しないのではないか、と思わせる。
彼はまるで幽霊のような存在なのだ。1991年湾岸戦争で本当は射殺されて死んでしまった。頭を弾丸が貫通したのだからあれで生き延びるはずはない。すべてが、夢の話だと、解釈するほうが釈然とする。でも、夢オチではない。戦争で心が死んでしまい、廃人のように生きる男が、ひとりの少女を助けて、やがて成人した彼女をもう一度助ける。そんな話として、読んでもいい。というか、成人した彼女が彼を助けるのだが、この2人は運命共同体なのだ。このストーリーには、最初から整合性なんかないし、必要もない。これは一瞬の夢でしかないからだ。だが、とてもよく出来た幻だ。夢の論理としての一貫性がここにはある。
恋人となる女性を演じるキーラー・ナイトレイは自分から進んでこの役のオーディションを受けたらしい。主役ではなく、脇役でしかないのに、この話に惚れ込んで、この世界の住人になることを望んだ。わかる気がする。こんなにも刺激的な映画はなかなか出会えない。
それにしても、とても変な映画だ。でも、この変さは好き。よく話がわからないまま、でも、どうなるのか、ドキドキして見続ける。ストーリーはかなり無茶苦茶だが、こういう大胆な発想って、悪くない。ちょっとくらい破綻があっても、面白ければいい。タイムトラベルとは言え、2つの時間のどちらにも本当は存在しないのではないか、と思わせる。
彼はまるで幽霊のような存在なのだ。1991年湾岸戦争で本当は射殺されて死んでしまった。頭を弾丸が貫通したのだからあれで生き延びるはずはない。すべてが、夢の話だと、解釈するほうが釈然とする。でも、夢オチではない。戦争で心が死んでしまい、廃人のように生きる男が、ひとりの少女を助けて、やがて成人した彼女をもう一度助ける。そんな話として、読んでもいい。というか、成人した彼女が彼を助けるのだが、この2人は運命共同体なのだ。このストーリーには、最初から整合性なんかないし、必要もない。これは一瞬の夢でしかないからだ。だが、とてもよく出来た幻だ。夢の論理としての一貫性がここにはある。
恋人となる女性を演じるキーラー・ナイトレイは自分から進んでこの役のオーディションを受けたらしい。主役ではなく、脇役でしかないのに、この話に惚れ込んで、この世界の住人になることを望んだ。わかる気がする。こんなにも刺激的な映画はなかなか出会えない。