こんなにも慎ましやかな芝居を、あの唐十郎がひっそりと作ってしまう、だなんて驚きだ。これをつまらないと思うか、おもしろいと受け止めるのかは、とても微妙な問題だ。近年の唐組の芝居はかっての彼のテント芝居とは明らかに異なってきている。とてもスケールが小さくて、コンパクト。わざわざテントでするまでもない。
今回のラーメン屋のセットだって、そのままで、そこには何の仕掛けもない。ラストの屋台崩しはお約束だからやっただけで、そこには必然性はない。
この夏で取り壊されるラーメン屋とそこにやってくる男女。この店を合併吸収する大病院の院長たちとのやりとりも、ことさら壮大なドラマがそこに隠されてあるわけではない。結局のところ、この芝居は、ここがただひっそりと消えていくのをただ見つめていくだけだ。そこにはそれ以上のものはない。
2幕構成で実質70分という極端に短い芝居はセットの組み替えがあるわけでもないから、休憩を入れる必要すらない。一気に見せても何の支障もないだろう。どちらかといえば、この小品にとっては2部構成にする事のほうが異常なことだ。しかし、これもお約束なのだから仕方がない。
ストーリーも今まで何度となく見てきたいつもの唐十郎のイメージから1歩も出ない。だから、安心してラストまで見れる。だが、正直いうとなんだか物足りない。あえて、こういう作品を今作ろうとする唐十郎の思いはどこにあるのだろうか。それが見えてきたならもう少し違った目でこの作品を見られるのかもしれないが。
今回のラーメン屋のセットだって、そのままで、そこには何の仕掛けもない。ラストの屋台崩しはお約束だからやっただけで、そこには必然性はない。
この夏で取り壊されるラーメン屋とそこにやってくる男女。この店を合併吸収する大病院の院長たちとのやりとりも、ことさら壮大なドラマがそこに隠されてあるわけではない。結局のところ、この芝居は、ここがただひっそりと消えていくのをただ見つめていくだけだ。そこにはそれ以上のものはない。
2幕構成で実質70分という極端に短い芝居はセットの組み替えがあるわけでもないから、休憩を入れる必要すらない。一気に見せても何の支障もないだろう。どちらかといえば、この小品にとっては2部構成にする事のほうが異常なことだ。しかし、これもお約束なのだから仕方がない。
ストーリーも今まで何度となく見てきたいつもの唐十郎のイメージから1歩も出ない。だから、安心してラストまで見れる。だが、正直いうとなんだか物足りない。あえて、こういう作品を今作ろうとする唐十郎の思いはどこにあるのだろうか。それが見えてきたならもう少し違った目でこの作品を見られるのかもしれないが。