テリー・ギリアムの新作である。ヒース・レジャーの遺作でもある。撮影途中で主役である彼が死亡。映画は完成せずにお蔵入り、というピンチを乗り越えて、無事完成。ほんとによかった。テリー・ギリアムはほんとに災難ばかりだ。あのドンキホーテに続き今回も未完成のまま終わっても不思議ではなかったはず。ヒースの遺志を受け継いで3人の大物俳優が鏡の世界でのヒースを演じる。美談である。そういうわけでこのなんとも豪華なキャスティングが実現した。
だが、映画自体はなんともモタモタした作品で、往年のギリアム作品にはまるで及ばない。退屈した。つまらないわけではないのだが、テンポが悪く、お話の世界に引き込まれない。これは一体どういうことなのか。パルナサス博士(なんと『サウンド・オブ・ミュージック』の名優トラップ大佐ことクリストファー・プラマーがよぼよぼで演じる!)の妄想の世界に入り込んでいくのだが、今ではもうああいう目に鮮やかなビジュアルは新鮮でもなんでもない。なんか陳腐でしかないくらいだ。しかも、お話がつまらないのは致命的だ。
『未来世紀ブラジル』を見た時の衝撃は今でも鮮やかなのに、この映画は見た瞬間にもう忘れてしまいそうな勢いだ。なんか感覚が麻痺してきてるのかもしれないが、何を見てもあまり驚かない。感性も鈍ってきたのだろう。だが、必ずしもそうではない。これは僕ではなく、ギリアムの感性の方が萎んできたのだ。
だが、映画自体はなんともモタモタした作品で、往年のギリアム作品にはまるで及ばない。退屈した。つまらないわけではないのだが、テンポが悪く、お話の世界に引き込まれない。これは一体どういうことなのか。パルナサス博士(なんと『サウンド・オブ・ミュージック』の名優トラップ大佐ことクリストファー・プラマーがよぼよぼで演じる!)の妄想の世界に入り込んでいくのだが、今ではもうああいう目に鮮やかなビジュアルは新鮮でもなんでもない。なんか陳腐でしかないくらいだ。しかも、お話がつまらないのは致命的だ。
『未来世紀ブラジル』を見た時の衝撃は今でも鮮やかなのに、この映画は見た瞬間にもう忘れてしまいそうな勢いだ。なんか感覚が麻痺してきてるのかもしれないが、何を見てもあまり驚かない。感性も鈍ってきたのだろう。だが、必ずしもそうではない。これは僕ではなく、ギリアムの感性の方が萎んできたのだ。