真面目な芝居である。作り手の誠実さがしっかりと伝わってくるから、見ていて気持ちがいい。単純なストーリーが、この場合、作品の力となる。戦争で死んでしまった人を待ち続ける。大好きだった妻。招集されて戦地に赴き、自分のほうが死んでしまうはずだった。でも、絶対に待つから、と言われて、彼女に会いたいがために、必死に生き抜き、帰ってきた。なのに。
今も、駅のベンチで待ち続ける老人と、偶然、この田舎の駅にやってきた青年。2人の出会いから、別れまでが、さらりとしたタッチで描かれていく。特別なお話ではない。どこにでもありそうな、でも、ありそうにない、そんな話だ。これは「お話」だから可能な世界である。そんな世界でまどろむことが、この作品のねらいだろう。
東京から4時間。1日に上り下り各4便しかないローカル線の駅。ひと夏の物語。都会から絵を描くためにやってきたわけアリの青年。彼を迎える老人と、もうひとりの老女。彼を追ってくる恋人。この2組の話が、戦時中の悲恋物語とリンクする。この絵に描いたような過去のお話が、切なくて心地よい。
正直言うと、ことさら取り立てて問題にするほどの芝居ではない。とても小さな手作りの芝居だ。だが、こんな真面目さは、いいと思うし、大事なことだ、とも思う。
今も、駅のベンチで待ち続ける老人と、偶然、この田舎の駅にやってきた青年。2人の出会いから、別れまでが、さらりとしたタッチで描かれていく。特別なお話ではない。どこにでもありそうな、でも、ありそうにない、そんな話だ。これは「お話」だから可能な世界である。そんな世界でまどろむことが、この作品のねらいだろう。
東京から4時間。1日に上り下り各4便しかないローカル線の駅。ひと夏の物語。都会から絵を描くためにやってきたわけアリの青年。彼を迎える老人と、もうひとりの老女。彼を追ってくる恋人。この2組の話が、戦時中の悲恋物語とリンクする。この絵に描いたような過去のお話が、切なくて心地よい。
正直言うと、ことさら取り立てて問題にするほどの芝居ではない。とても小さな手作りの芝居だ。だが、こんな真面目さは、いいと思うし、大事なことだ、とも思う。