昨年『すりばちの底にあるというボタン』で初めて出逢った大島真寿美の小説。前作とはがらりと雰囲気を変えて、今回は緩いタッチのハートウォーミングだ。タイトル通り、三姉妹の日常を綴るなんでもないスケッチだ。だが、これはこれでおもしろい。
大学を出たけれど、ミニシアターでバイトしながら、自主映画なんかを撮ってる(大学の映研にまだ、入り浸ってる)三女の水絵が主人公。彼女を中心にして3人姉妹の物語が描かれていく。これはまさに今ではすっかり廃れてしまった70年代のホームドラマの世界だ。なんだか今時こういう小説は珍しい。
次女の真矢はキャリアウーマン。バリバリ仕事をこなすようだが、不倫したり、なんだかんだで大変。長女の亜矢は主婦。田舎の金持ちと結婚したが、なにかと気を使うことばかりで、離婚騒ぎを引き起こす。
まぁ、たわいないといえば、これ以上のものはないというようなお話。こういう家庭劇って、もうTVドラマでもしないのではないか。今時あまりに古典的すぎて。ホームドラマの王道を行く小説だ。なんだかなぁ、と思いながら読んでいたのだが、読んでいるうちになんだか楽しい気分になる。ここまでどうでもよいことをつたつらと綴られると、なんだかそれはそれで幸せな気分にさせられるから不思議だ。
ありきたりで、なんの目新しいこともない小説が、だから、返って新鮮だったりする。定番の展開も俗っぽさスレスレのところで納得がいく。なぜか奇跡的にうまい。
大学を出たけれど、ミニシアターでバイトしながら、自主映画なんかを撮ってる(大学の映研にまだ、入り浸ってる)三女の水絵が主人公。彼女を中心にして3人姉妹の物語が描かれていく。これはまさに今ではすっかり廃れてしまった70年代のホームドラマの世界だ。なんだか今時こういう小説は珍しい。
次女の真矢はキャリアウーマン。バリバリ仕事をこなすようだが、不倫したり、なんだかんだで大変。長女の亜矢は主婦。田舎の金持ちと結婚したが、なにかと気を使うことばかりで、離婚騒ぎを引き起こす。
まぁ、たわいないといえば、これ以上のものはないというようなお話。こういう家庭劇って、もうTVドラマでもしないのではないか。今時あまりに古典的すぎて。ホームドラマの王道を行く小説だ。なんだかなぁ、と思いながら読んでいたのだが、読んでいるうちになんだか楽しい気分になる。ここまでどうでもよいことをつたつらと綴られると、なんだかそれはそれで幸せな気分にさせられるから不思議だ。
ありきたりで、なんの目新しいこともない小説が、だから、返って新鮮だったりする。定番の展開も俗っぽさスレスレのところで納得がいく。なぜか奇跡的にうまい。