久しぶりに見た胸キュン高校生少女漫画映画。ヒロインの友人の2人の女の子たちがいい。こんなにも優しい友だちの包まれて彼女は幸せだ。3人を取り囲む男子も3人。主役は一応Snow Manのラウール演じる金髪男子(と宣伝上はなっている)だが、実質は吉川愛演じる女の子のほうだ。そしてここには悪い人がいない。夢のような世界のお話だ。まぁ、最初は彼女をイジメるバカ女たちが出てくるけど、すぐにラウールが撃退して、映画世界から消えていく。
ヒロインの石森羽花は、中学時代、ずっとイジメられていた。ちゃんと人と話すことができない。自分に自信がない。石(苗字が石森だから)と言われ、バカにされてきた。頭はいいけど、他者と話せない。だから結果的に頑なに心を閉ざすことになる。でも高校に入ったら、変わりたい。そう思っていたが、ムリ。そんな彼女が金髪でカッコいい男の子に恋する。(ふたりは中学時代に運命的に会っていた)まぁ、たわいない、どこにでもあるような青春映画だ。
こんなアホな話でもいい。夢のような高校生活を描く恋愛ものなのだからその夢を映画は全力で応援すればいい。ストーリーは特にはない。春の入学から始まる。冬のクリスマスまで。高校生男女6人の友情物語。監督は大根仁の助監督を経てデビューした『ピーチガール』『honey』とこの手の映画専属の神徳幸治。
さすがにここまで絵空事を並べられるとおじさんの僕にはいささかツラいが、ラウールファンの夢見る小中生女子には感動映画かもしれない。こういう映画があってもいいと思うし、否定しない。作り手は誠実に女の子たちの夢に世界を作り上げた。ふたりだけの資料室に、校舎の屋上。そんな秘密の場所なんて映画の中にしかない。ラウールの秘密もたわいない。高校一年生がバーテンとして雇われるわけもないし、天涯孤独の一人暮らし15歳、ってありえない。都合のいい設定ばかりなのも確信犯。でも、こんな夢を作ることもたぶん映画の使命だ。