『ガール』

　女たちはものすごく頑張る。そんなに頑張ったらきっと疲れて、倒れてしまうよ、と思う。たまには息抜きをしなくちゃ。でも、彼女たちにはそんな余裕はない。全身全霊で全力投球。涙ぐましい。これが男だったなら、こんなにも頑張らなくても、同じくらいにやれたはずだし、生きていきやすいだろう。

　だが、彼女たちは女に生まれたことを恨んだりはしない。それどころか、１００回生まれてきても、１００回とも女でありたい、と思う。（そんな感じのせりふがある）それって、何なのだ？　

　とても元気の出る映画だ。頑張る女たちは、とても美しい。そんな彼女たちの応援がしたくなる。ここに出てくる男たちはみんなそんな女たちのことが大好きだ。彼女たちから元気をもらう。あんな嫌なやつだった要潤でさえ最後には女にひれ伏す。認めざる得ないからだ。

　単純すぎる映画であることはみんなわかっている。こんなキレイごとばかりじゃない、なんて、誰だって知っている。だが、こんなふうに生きる女たちは嫌いじゃない。だから、彼女たちが幸せになるラストはいいと思うのだ。努力はちゃんと報われる。そうでなくてはつまらないからだ。これは働く女たちへの応援歌だ。心地よい夢の世界で２時間楽しむ。現実もこんなふうだったら、うれしい。