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実に面白い。この先どうなるのか予測不可能。彼女の復讐は理不尽だと思うか? 自分の人生まで投げうってこういう行為を続けるのはなぜか。そんな中で彼女が彼と出会い、恋心を抱くという展開はどうなのか。とても誠実で彼女のことを心から好きだと思うこの男に対する対応がこの映画においてかなり微妙でドキドキさせられる。医者をあきらめて生きてきたこれまでの人生の10数年、それでよかったのか? 一瞬迷う。で、どうする?
そして、お話は単純にはいかない。11年前の事件をもう誰もが忘れている。若かったから仕方ないなんてことで済ます。何なのか。そんな自分勝手な理屈が通用するとでも思うのか。男の側からの一方的な論理が男だけではなく、女性にも通用する。敵は男だけではない。
というか、敵、ってなんだろうか。あの優しい彼も含めて。これは爽快なリベンジゲームではない。命がけ、人生をかけた復讐。なぜそこまでするのか。怒りは収まらない。それはわかる。同じような行為は今もこれからも続く。彼女ひとりにできることなんかたかが知れている。だけど、彼女は続ける。友だちの死がきっかけである。それがすべてだ。彼女のために戦うのか? 彼女だけではなく愚かな男たちの犠牲になった女たちのために? でも、それを彼女がするべきなのか? いろんなことがきっと彼女自身にもわからないのだろう。でも、やらずにはいられない。ラストで、すべてに決着はつけるために彼女がナース服で挑む戦いは強烈だ。
死ぬことになるなんて思いもしなかった。でも、ただ殺されて終わるわけはない。だが、死ぬことを覚悟して、死ぬならその後の始末をちゃんと準備しておく。後味は決してよくはない。だけど、ここまでする意味はある。理不尽に対してのきちんとした決着はつける。それだけ。