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映画・演劇のレビュー

『イミテーションゲーム』

2015-03-31 22:45:41 | 映画
『シャーロック』で人気者になったけど、いつも変な映画にばかり出ているベネディクト・カンバーバッチ主演。今回も実に彼らしい。ただの2枚目にはまるで興味ないようで、今回も変人。ジョニー・デップとはまた別にに味で彼も変わっている。

天才数学者がエニグマの謎に挑むお話なのだが(サブタイトル『エニグマと天才数学者の秘密』は、そのことがそのまま描かれてあるけど、この芸のなさもまた凄い!)、カンバーバッチが、どこまでも自分に自信を持っていて、その俺様ぶりが凄い。後半悩むけど、もっと悩まず最後まで俺様でいて欲しかった。話は時系列にはなっていない。あっちこっち行きつ戻りつする。その混乱させる語り口も凄い。いろんなことが確信犯的行為なのだ。

ドイツ軍の暗号を解読するためにすべてを賭けたカンバーバッチを中心としたチームのお話。隠されてきていた戦争秘話なのだが、これは偉人伝ではなく、もちろん戦争映画でもなく、ただ、上手く人と付き合えない孤独な男が、パスルを解くように、時間との戦いに中で、暗号解読を目指す。でも、現実は厳しくなかなか上手くいかない。しかも、解読したのに、それを大っぴらにはしない。これは戦争を終結させるための最大の武器となる。では、どう使うのか。効果的な時期まで、秘密にしておく。そのことで、たくさんの救う事の出来た命を失う。その呵責に苦しむ。

 こんな地味なお話なのに、こんなにもドキドキする。この先どうなるのやら、どこでどうなるかすら、まるでお話が読めないのもいい。どこに連れていかれるか、まるでわからないまま、最後まで引きずられるのだ。ちょっとした人間ドラマでもある。カンバーバッチを中心としたチームの群像劇にもなっている。人間嫌いの彼が仲間を作る話でもある。いろんな意味で、さまざまな要素をごった煮に詰め込んだ映画だ。面白い。

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