習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ドラゴンフォー』

2015-06-04 21:43:43 | 映画
ゴードン・チャン監督の渾身の力作。先にツイ・ハークの同じような歴史アクション大作『ライズ・オブ・ザ・シードラゴン』を見て、がっかりしているから、もうこの手に映画はしばらく見ないつもりだった。だが、『ライズ・オブ・ザ・シードラゴン』のメイキングを見て、あれが、中国映画史上空前絶後の大作であり、本国で大ヒットしたことや、その苦心の跡や、困難な映画を必死になって、楽しみながら作る喜びを感じ、なんだかそ . . . 本文を読む
コメント

『あん』

2015-06-04 21:43:00 | 映画
河瀬直美監督作品だが、こんなにもメジャーな作品は初めてではないか。ストーリーだけでなく、キャスティングも含めて、一見ふつうの商業映画のようなラッピングがなされている。だが、見たらわかる。いつもと同じようにここには一切妥協はない。 こんなふうに厳しい映画を作り上げる彼女の意志の固さが好きだ。一切妥協なんかするわけもない。内容的には、お涙頂戴にも出来る作品だ。興行を考えると、もう少し甘い映画が望ま . . . 本文を読む
コメント

『天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬』

2015-06-04 21:37:54 | 映画
こんなにもバカな映画はない。最初にタイトルを聞いた時から冗談にもほどがある、と思ったけど、冗談ではなく、本当にやるのだ、と知り、恐怖した。ありえません。こんな企画で映画が作られていいわけがない。ふざけるのもいいかげんにしなさい、という気分だった。赤塚不二夫が草葉の陰で怒ってるぞ、なんて。 もちろん、冗談です。でも、これにはあきれるくらいに、コーフンした。だって、あの『秘密結社 鷹の爪』のFROG . . . 本文を読む
コメント

犯罪友の会『横丁のダーリン』

2015-06-02 23:01:56 | 演劇
昨年上演された作品を今年、もう一度再演した。再演としてはあまりにインターバルが短すぎる。だが、キナ臭くなった今だからこそ、この爽やかな作品を通して、忘れ去られていこうとする戦争の記憶を喚起するのは必要なことかもしれない。1970年の奈良を舞台にした作品で、いなかのほのぼのとした空気の中で、ひとりの女の子(女子高生)のモノローグからスタートする。美術室でデッサンをしながらの彼女の1人語りと、野球部の . . . 本文を読む
コメント

恩田陸『EPITAPH東京』

2015-06-02 23:01:22 | その他
「吸血鬼に導かれ、東京を彷徨う」という帯のことばから、SFタッチのホラーなのか、と思い、読むのが億劫だったけど、たまたま読む本がなかったのと、やっぱり恩田陸だし、という思いから読み始めたのだが、もう一瞬で虜になった。 タイトルにある「EPITAPH」とは墓碑銘のことらしい。読み始めて少ししたら説明がなされる。すごく気になったけど、作者が何も言わないから、調べなかった。これも後で知ったのだが、「 . . . 本文を読む
コメント

『パトレイバー 首都決戦』

2015-06-02 22:10:35 | 映画
ちゃんとしたタイトルは『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』。押井守監督がパトレイバーの実写映画化に挑んだ今回のプロジェクトは、その壮大さに目が眩む。13本の中編作品を作り、2本ずつにして、1年以上をかけて劇場でイベント上映した後、随時、DVD、CSでの放送をしていく。最後に劇場用の長編作品を大々的に映画館に持ってくる。原寸大のレイバーを作るというのも、大胆だと思ったし . . . 本文を読む
コメント

大山果プロデュース『くらい』

2015-06-02 22:09:42 | 演劇
もうまく基金チャリティイベント、と言われても、ピンとこない。網膜色素変性症なんて知らない。自分に関係ないから、と。薄情な話だが、僕たちの意識なんかそんなものなのだ。舞台監督の塚本修さんからメールを頂かなかったなら、絶対に行かなかったし、こういうイベントが行われていたことも知らなかった。でも、行ってよかった。大山さんによる渾身のパフォーマンスに感動した。彼女が網膜色素変性症である、ということを抜きに . . . 本文を読む
コメント