ちゃんとしたタイトルは『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』。押井守監督がパトレイバーの実写映画化に挑んだ今回のプロジェクトは、その壮大さに目が眩む。13本の中編作品を作り、2本ずつにして、1年以上をかけて劇場でイベント上映した後、随時、DVD、CSでの放送をしていく。最後に劇場用の長編作品を大々的に映画館に持ってくる。原寸大のレイバーを作るというのも、大胆だと思ったし、ワクワクした。しかし、何本か、見たとき、そのしょぼさにがっかりしたことも事実だ。最初の期待は萎んでしまった。
だが、最後のこの長編作品だけは、どうしても見たいと思った。このシリーズがどこにたどりつくための作品だったのか、その帰着点がとても気になったし、これは押井守監督作品である。見逃すわけはない。映画は、予想通り期待したほどの作品ではなかった。それは先行する中編シリーズを見れば明らかだ。だが、それでも、満足している。見てよかった。
これは押井守監督の最高傑作のひとつである『機動警察パトレイバー2』の続編だ。それってなんだか大胆すぎて驚く。アニメーション映画の、しかも、PART2である作品の続編を実写で作るって、どういうことか。そんなのありか? あまりの大胆不敵さに衝撃を受ける。93年作品の続編だから前作から12年後の世界が舞台になる。
あの作品がすごかったのは、現実の東京でテロが起こり、戦争になる、というアイデアの凄さだった。アニメだから、なんていうノリではない。あまりのリアルさに衝撃を受けた。十分に起こりえる事態だった。あれから12年。再び同じような事件が首都を襲う。しかし、今では、それはリアルじゃない。実写として見せるにもかかわらずアニメ以上にリアルじゃない。衝撃的でもない。時代が変わったからだ。首都でのテロはありえる。もうなんでもありの時代になっている。驚きはない、ということに驚く。押井守監督自身も、そのことは、十分わかって、見せていく。東京の空で軍用ヘリが飛び、レインボーブリッツジが爆弾によって破壊されても、日常は続く。テロによる戦争の恐怖も、東京都民をパニックにはしないという怖さ。その異常事態のほうが怖い。
映画が盛り上がらないのは、そういうテンションの低さゆえだ。警視庁の導入した最新鋭の人型ロボットであった「パトレイバー」は、今では役立たずはただのハリボテでしかなく、お荷物と化している。レイバーが活躍することはない。最後に満を持して登場するけど、SF映画のロボットのような大活躍は当然しない。だが、そういうリアルさこそが押井監督のねらいだ。最後までそこは譲らない。
映画がつまらなかったのは、確信犯だ。でも、そういう映画を平気で作れるって、凄すぎる。ふつうじゃない。
ここからは余談になるが、この映画はなんと日本初のドルビーアトモスで作られた作品だ。それにも関らず、関西ではドルビーアトモスでの上映はなかった。そのことが、とてもショックだった。凄く楽しみにしていたのに。最初から小さな劇場で1日数回しか、上映がなかったのだ。しかも、3週からはほとんどの劇場で1回上映に切り替わる。
せっかくの渾身の大作映画なのだ。せめて、できるだけ大スクリーンで見たかったので、そういう上映劇場を探すのが大変だった。でも、ちゃんと探すと、結構大きなスクリーンで見ることができてよかった。
だが、最後のこの長編作品だけは、どうしても見たいと思った。このシリーズがどこにたどりつくための作品だったのか、その帰着点がとても気になったし、これは押井守監督作品である。見逃すわけはない。映画は、予想通り期待したほどの作品ではなかった。それは先行する中編シリーズを見れば明らかだ。だが、それでも、満足している。見てよかった。
これは押井守監督の最高傑作のひとつである『機動警察パトレイバー2』の続編だ。それってなんだか大胆すぎて驚く。アニメーション映画の、しかも、PART2である作品の続編を実写で作るって、どういうことか。そんなのありか? あまりの大胆不敵さに衝撃を受ける。93年作品の続編だから前作から12年後の世界が舞台になる。
あの作品がすごかったのは、現実の東京でテロが起こり、戦争になる、というアイデアの凄さだった。アニメだから、なんていうノリではない。あまりのリアルさに衝撃を受けた。十分に起こりえる事態だった。あれから12年。再び同じような事件が首都を襲う。しかし、今では、それはリアルじゃない。実写として見せるにもかかわらずアニメ以上にリアルじゃない。衝撃的でもない。時代が変わったからだ。首都でのテロはありえる。もうなんでもありの時代になっている。驚きはない、ということに驚く。押井守監督自身も、そのことは、十分わかって、見せていく。東京の空で軍用ヘリが飛び、レインボーブリッツジが爆弾によって破壊されても、日常は続く。テロによる戦争の恐怖も、東京都民をパニックにはしないという怖さ。その異常事態のほうが怖い。
映画が盛り上がらないのは、そういうテンションの低さゆえだ。警視庁の導入した最新鋭の人型ロボットであった「パトレイバー」は、今では役立たずはただのハリボテでしかなく、お荷物と化している。レイバーが活躍することはない。最後に満を持して登場するけど、SF映画のロボットのような大活躍は当然しない。だが、そういうリアルさこそが押井監督のねらいだ。最後までそこは譲らない。
映画がつまらなかったのは、確信犯だ。でも、そういう映画を平気で作れるって、凄すぎる。ふつうじゃない。
ここからは余談になるが、この映画はなんと日本初のドルビーアトモスで作られた作品だ。それにも関らず、関西ではドルビーアトモスでの上映はなかった。そのことが、とてもショックだった。凄く楽しみにしていたのに。最初から小さな劇場で1日数回しか、上映がなかったのだ。しかも、3週からはほとんどの劇場で1回上映に切り替わる。
せっかくの渾身の大作映画なのだ。せめて、できるだけ大スクリーンで見たかったので、そういう上映劇場を探すのが大変だった。でも、ちゃんと探すと、結構大きなスクリーンで見ることができてよかった。