名作西部劇だが、今まで見たことがなかった。あまり西部劇は好きではない。特に昔の映画は単純すぎて退屈な映画ばかりだし。たまたま平日の昼間に時間があるし,お昼ご飯を食べてぼんやりしていたら、始まったから見ることにした。85分だし、つまらないなら途中からはやめて昼寝したらいい。
これはなんとフレッド・ジンネマン監督作品。ゲイリー・クーパー主演の52年作品。もう72年前のモノクロ,スタンダー . . . 本文を読む
香港の雨傘運動を描く映画。昨年劇場公開された『理大囲城』を見た時、この映画も見たいと思ったが、あの時はまだ配信されてなかった。昨日たまたま『私たちの青春、台湾』を見て、この映画も配信されていることを知る。
ここに描かれるのは10年前の出来事である。いや、もうあれから10年になるのか。映画を通して学生たちが純粋に正しいことを願う姿を見て、胸が痛む。香港の警察官だって必ずしも自分たちが正 . . . 本文を読む
2010年の韓国映画が今頃配信で公開される。幻の一作らしい。イ・ジェフンが主演しているから配信されたみたいだ。なかなかとんがった映画で意外な展開に戸惑ってしまう。最初は父親が死んだ高校生の息子の死の謎解き、復讐をする話かと思っていたが、そうではなく、息子が虐めをする話かと思っていたが、そうとはならず、仲良し3人組の話にスライドして、この三つの話がどうつながるのか、なかなかわからない。殺されたイ・ジ . . . 本文を読む
2010年代、青息吐息だった尼崎の小さな映画館、塚口サンサン劇場。再生を賭けた戦いの日々が描かれる。コロナ禍の話まで。イベント上映を成功させて定着させる過程を中心にして、さまざまな夢を実現させていく。こんな素敵なドラマが塚口サンサン劇場であったのか、と改めて驚く。何度が昔行ったことはあるけど、ここに描かれた2010年以降には行ったことがなかった。ミニシアターの生き残りを賭けた戦いは劇場の差別化しか . . . 本文を読む
日本では2020年に公開されたドキュメンタリー映画。ふたりの男女の7年間が綴られる。台湾の民主化運動に邁進する青年と大陸から留学してきた大学生の女性。学生運動に関わって、政治に目覚める。最終的には自分たちの力で、やがて台湾独立を勝ち取るために闘う。
だけど,うまくはいかない、彼は政治家を目指し選挙に出る。彼女も大学の学生会の代表選に出馬する。だけど中国藉を理由に当選しない。彼は以前の . . . 本文を読む
マーク・ウォールバーグ,ハル・ベリー主演のアクション映画。今までなら劇場公開されていただろう。Netflixの新作大作映画は劇場公開ではなく配信で公開される。バカバカしい話だけど、007並に世界を股にかけて楽しませてくれる。アメリカの田舎町(ジャームッシュ映画で有名になったパターソンだ!)から、いきなり現れた昔の彼女に拉致されて、目が覚めたらロンドンに。生まれてから今まで町を出たことすらないのに。 . . . 本文を読む
神森の樹海、5歳のASD児がいなくなった。あれから1週間、子どもが無事に帰ってきた。行方不明の間、何があったのか。
子どもがたったひとりで7日間生き延びたのは4人のバラバラな男女との出会いが原因だ。彼らが少年を結果的に助けた。そして彼ら自身も少年から助けられたのかもしれない。450ページの長編は少年と出会った4人のそれぞれの視点から描かれる。さらには彼の叔父の視点も交えた5つの主人公 . . . 本文を読む
ふたり芝居。ある夫婦の光景。テーブルを挟んで向かい合う。なんでもないたわいない会話が続く夏の日の午後。今は不在の娘、ハナコを待つ時間。たぶん彼女はクラブ活動をしているようだ。だけどなんだかおかしい。彼女はもう死んでいる。
今いる「ハナコ」は猫で、娘の代わりに飼っているのか。妻は病気で入院するのか。夫はひとりになるのか。だからこの先、妻の代わりにハナコの面倒を見なくてはならないのか。
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ナカタアカネさんの芝居を見る。ものすごく久しぶりだけど、久々に彼女を(彼女の作品を)見ることが出来てうれしい。80年代後半から90年代、スペースゼロで出会った人たちが今もちゃんと芝居をしているのを見ると、改めて芝居って凄いな、と思う。なんだか最近は新しい芝居ではなく、昔から見ている芝居をもう一度改めて見るという作業が多い。もちろんずっと見ていて今も見ているという劇団があくまでもメインだから、新規さ . . . 本文を読む
続けて3作目も見てしまった。残念だがこれはつまらない。ストーリー展開が遅くてイライラする。まさか話を引き伸ばしているのか? 無理矢理4章構成にするためだと思う。こういうのはよくない。寺島進の葬儀から新鮮組との合併(しないけど)までを描くのだが、ここまでを1時間17分にする必要はない。今まで通り1時間で充分描けた。派手な見せ場はなくてもいいが、それなりの緊張感は欲しい。敵対する西の組織の内紛から、組 . . . 本文を読む
摂食障害のふたり。保健室で出会った。みんなと一緒に給食を食べられない。食べたくない。食べるのに時間がかかる。たくさん食べられない。中学の給食。葵と咲子。会食恐怖症とか知らなかった。知らないことだけではない。過食嘔吐とか、知っているけど。いや、知っているのか?彼女たちが抱える問題をただのわがままだと言ってしまうのは間違いだとわかっている。だからといって学校給食を廃止せよ、とは言えない。ふたりの問題と . . . 本文を読む
昨年から公開されていたが、見てなかったのは鹿島作品が好きだったから、あれのイメージを大事にするためだ。縮小再生産された『静かなるドン』は見たくない。ただ伊藤健太郎が近藤静也をいかに演じたかは、少し気になった。ということで結局見ることにした。
今回まず第二章までを見て、これはこれで悪くないと感心している。低予算を逆手にとって、派手な映画にはしないで作品世界を体現する。さらにはしっかり現 . . . 本文を読む
Vシネマ全盛期に他とは一線を画したヤクザ映画を作ったのが、鹿島勤監督である。香川照之が主演したヒットシリーズ『静かなるドン』だ。まだ若手俳優だった香川の初期代表作になった。あれを作ったのが鹿島監督なのである。彼は90年代にデビューしてさまざまな映画を作った。東映のメイン番線で児童文学である『ずっこけ3人組』を作っている。あり得ないことがあの時代はあった。東映はなりふり構わずヤケ糞でヒット作を模索し . . . 本文を読む
昨年公開されていた韓国映画。60年代,3本の映画を作り消えてしまった韓国初の女性映画監督の最後の作品『女判事』。残された不完全な映画を修復し、失われた音声を再現して、欠落したフィルムを見つける旅。同じようにもう映画を撮れそうもない現代の女性監督が50年前の映画を再現するために当時を知るさまざまな人たちに会う。彼女もたった3本の映画を作ったまま映画界から消えようとしている。家族のこと、ヒットしない自 . . . 本文を読む
竹中直人68歳のエッセイ集。呆れるくらいに自由で楽しい。だけど、そこには繊細すぎる彼の姿が見え隠れする。エンタティナーである。ただのコメディアンではない。俳優で映画監督。器用になんでもこなすというのは、フリで、ほんとは不器用。凄い気配りの人。そんな彼のすべてがここにはある。
長短取り混ぜて、ここにはさまざまな文章が収録されている。昔話から、芸能界に入ってからのたくさんのスターとの . . . 本文を読む