イーグルス「フェアウェル・ツアー・ライブ・フロム・メルボルン」


 昨年11月に東京ドームで行われた「イーグルス」のライブに行きました。ロック・ポップのコンサートは久しぶり(4~5年前のグロリア・エステファン以来?)で東京ドームは初めてでした。熱狂的なイーグルスファンという訳ではありませんが70年代~80年代のロック・ポップが好きでイーグルスが好きでない人などいないと思います。ヒット曲のオンパレード、ドン・ヘンリーの渋い声、グレン・フライの甘い声、ジョー・ウォルシュの泣きのギターは相変わらずで酔えました。

 しかし・・・、遠ぉーーーい。発売当日に電話予約したS席は3塁側のベンチの上の少し後ろで全体の中では良い席。しかしステージはセンターの後ろ、スコアボードの前です。イーグルスのメンバーがあまりにも遠くて、始まって暫くは慣れなくて、何が行われているのか頭の中で整理できませんでした。これまでも安い後方席は経験あります。武道館、NHKホール、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(私の史上最高のコンサート、元レッド・ツエッペリンの「ペイジ&プラント」)などなど。後ろからでもステージの様子は分かりました。更には私が持っているライブ映像もスタジアムものが多いのでスタジアムでライブを見るのは普通のことだと思っていました。
 いくらなんでも遠すぎます。考えてみれば、野球を内野席で見ていて、そこからスコアボードの脇で見ている人が何をしているのかが分からないのは当たり前です。主にオペラ鑑賞時に使う比較的高性能の望遠鏡を持っていたのですが、それで、ステージ後ろの大スクリーンを見てやっと分かるという感じです。ライブ会場で望遠鏡で大スクリーンを見ながら聞いていると、自分は一体何をしているんだろうと可笑しくなりました。スタジアムでライブを見るものではないです。ただ、音楽に酔えたのは本当です。

 この映像は日本公演の直後のオーストラリア・メルボルン公演のものです。ほとんど同じ内容だと思いますが、「最前列に座った人の視点」で見られるので最高です。

 イーグルスの歌では、サビの発声が難しく、以前のライブアルバムにも入っていなかったのでやらないのかと思っていた大好きな「呪われた夜」が演奏されましたし、ドン・ヘンリーのお約束のバラード、グレン・フライのカントリー調のミディアムテンポの音楽、ティモシー・シュミットの「アイ・キャント・テル・ユー・ワイ」も演奏されました。どれも最高です。

 楽しかったのは、ソロ時代の曲も演奏したことです。ドン・ヘンリーが「ボーイズ・オブ・サマー」、「ダーティ・ラウンドリー」(最高!)、「オール・シー・ワンツ・トゥ・ドゥ・イズ・ダンス」の3曲に、グレン・フライは「ユー・ビロング・トゥ・ザ・シティ」の1曲。当日はどうしてグレン・フライは1曲なんだろうと思っていましたが、このライブ映像でも同じでした。「ヒート・イズ・オン」や「セクシー・ガール」だとイーグルスのイメージに合わないのでしょうか。

 観客席の興奮の様子はあまり写していない、演奏中心のライブ映像ですが、メンバーの誠実な音楽作りはライブ当日にも感じられたとおりであり、大いに満足できます。


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