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沢木耕太郎「波の音が消えるまで」
2014年12月13日 / 本

沢木耕太郎のエンターテインメント小説。テーマはバカラ、と少しサーフィン。最高に面白いです。
マカオのバカラで必勝法を探す男達の物語と聞くと、ギャンブル素人の私でもそれはありえないと即答できるし、合理的なハーバード大学の学生が読んだとしたら、日本人と中国人って本当にバカだなで済むのではないかと思います。バカラで「ジョン(バンカー)」が勝つか、「ハン(プレイヤー)」が勝つかを数字の勢い、波、経験値などから判断できるか。
通常では考えられないけれど、おそらく著者自らのプレイで何かを掴めたような、特別な領域までたどり着けたような体験、感覚から生み出された小説なんだと思います。
圧倒的で爽快な読後感があります。フィクションなのにノンフィクション・ノベルのようなリアリティがある。当然、読者は沢木耕太郎の過去を意識するのですが、邪魔になりません。どこかで沢木耕太郎本人の姿がチラつくのですが、この物語に没頭できます。
下巻の帯に「前代未聞のエンターテインメント小説」とありますが、本当にそうです。フィクションとノンフィクションの境界線、旅とギャンブル。これは沢木耕太郎にしか書けない小説です。
無性にバカラがやりたくなります。子供が小さくて海外旅行に行けなくなって10年経ちますが、いつかラスベガスかマカオのカジノに再び行くぞと気合いが入りました。でも、どうかな。
以前からマカオとはどういうところなのか、行ってみたくて仕方がないのですが、ガイド本で見ても、当局提供の写真と解説をそのまま転用しているようで非現実的なベールに包まれています。霞の向こうに何か、たぶん熱狂があるのでしょう。
何度かラスベガスのカジノに行ったことはあり、テーブルでは、ブラックジャック、クラップス、ルーレットなどで遊んだのですが、バカラは通常、ハイリミット(高額)コーナーにあるのでほとんど目にすることはなく、当時はプレイしたいとも思いませんでした。
一度だけ、サイパンの脇にあるテニアン島のダイナスティーホテル&カジノで夜遅く、盛り上がっているバカラ台をみたことがあります。
〔2004年3月20日〕
朝5時に目が覚めたのでカジノをのぞきにいってみると、バカラだけ4台に人が結構残っていた。2台がおそらく中国系、2台が日本人。後ろでのぞかせてもらったが、日本人の台のうち1台は平均300ドルくらいのベット、もう1台は平均500ドルくらい、勝ちが続くと1500ドルとかベットしていた。ラスベガスでは日本人をほとんど見たことがなかったので、リゾカジcomなどで読む日本人の高額賭博というのはこれかーと見入ってしまった。
この位、高額を賭けないと痺れるような面白さは分からないんだろうなあと思う。私は、ミニバカラもどうもプレイする気がしなかったので結局、今回もやらずじまいだった。貯金してからにしたい。
小説は最高に面白かった。そしてバカラがやりたくなった。それに尽きます。ノンフィクションの沢木耕太郎がエンターテインメント小説でホームランをかっ飛ばしました。
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