オスロから数少ないノルウェーの高速道路を南下してスエーデンの西海岸を下ってゆきますと、このあたりの岩山が大小どれもブリクスダール氷河で見たように表面が磨かれたようにつるつるなのです。
オスロも氷河から出来たフィヨルドですがこの海岸線も太古の昔には氷河で覆われていたのが判ります。
そしてキャンピング案内書で、このあたりにも石器時代の岩絵があることを知り、雨の中を行って見ました。
ウ”ィットリッケ博物館(Vitlycke Museum)はここもユネスコ世界遺産の指定を受けて、保存と観光奨励をしていますが、ここの岩絵は1箇所に集中していなくて、4−5箇所を移動しなくてはなりません。雨が激しくて森の中の道を歩き回るほど、熱意もなくて早々に引き上げました。
ここの岩絵がノルウェーのアルタで見た絵にそっくりなのです。こんな数千Kmも離れた寒冷地で人が住んでいただけでも驚きなのに、北と南で人々の交流が有ったのだろうかと考えてしまいました。
この夜は博物館の近くの小さなキャンプサイトで一泊しましたが、一晩中雨が降り続き、翌朝も激しい雨でした。キャンプサイトのレセプションの若い女性が ”もう2−3週間こんな変な天気が続いていて、この8月は夏が無かった” と嘆いていました。
スエーデンの第二の都市ヨーテボリ(Goteborg)へ行くつもりで走っている途中、余りに雨がひどく雨宿りのつもりで立ち寄ったのがトロルヘッタン(Trollhattan)です。キャンプサイトに着いたときは青空が見えて太陽が出てきましたが、サイトの地面が水浸しで、嫌々ながらに駐車しました。
キャンプサイトから歩いてゆけるダムで毎日午後3時に水を放水するからと薦められ、町を横切っていってみました。余り人通りもない広い通りに英国のパブ ビショップ・アームと言うのが有り ホゥ、こんなところに英国のパブが・・・と嬉しくなりました。
ダムの周囲は運河と川が平行に流れダムから放水される水路は空でしたが、午後3時放水が始まると、橋の上で待ち構えていた多くの観光客から歓声が上がりました。30分ほどで放水が止まり、期待していなかった知らない町で、何だか得をしたような気持ちで晴れ晴れとキャンプサイトへ帰ってゆきました。