レクサンドからシリアン湖の東岸のレートウ”ィークにキャンプサイトを移しました。ここのサイトの設備は、今回の旅では多分最高と思われる素晴らしさで、トイレ、シャワーのみならず、テレビ室兼食堂、キッチン、家族用シャワールーム、プール、洗車場などまで完備していて、町営らしく料金も安いのです。サイトは非常に大きくて、ここも長期滞在のリゾート地になっています。写真の木の柵はスエーデンでしか見られない造り方です。それにこの集塵車のすごいこと。
スエーデン人の家族ばかりでしたが、気になるのはこの国の人たちは朝会っても挨拶もしないのです。こちらから”おはよう”と声をかけるとまるで驚いたような顔をする人たちが多いのです。田舎の人が多いのかとも思いますが、全体に無愛想な国民性なのではないかと思いました。
と言うのはこの後ドイツにも行っているのですが、ドイツ人は実に愛想の良い人たちが多く、何処でも挨拶しないことはありませんでした。
レートウ”ィークの駅から湖に出ると、全長628メーターの木造の桟橋が延びています。この湖は遠浅でこの桟橋の先端に船着場があります。桟橋の先端から見るレートウ”ィークの町は素晴らしくきれいです。
レートウ”ィークから北へ数キロの森の中にダールハッラ・アンプシアターが有るのを知り、天気の良い日に行って見ました。針葉樹の森の中の、石灰を掘り出した跡地を利用したアンプシアターです。大きさは400m x175m x 60m の竪穴で底の青い湖の上にステージが設置されていて4000席が設けられています。レートウ”ィークの観光案内所でその週末のオペラ・リゴレットのチケットを買い求め、オペラのためにこのキャンプ地で5泊もしました。
さてオペラ開演は夜8時から、夕方5時過ぎにはアンプシアターの近くの巨大な駐車場へ行きました。私たちより前にキャンパーが数台駐車しています。キャンパーだけは駐車場に一列に並んでいます。キャンパーで夕食をクックして食べお茶を飲み、駐車場がいっぱいになってきた7時半、座布団と毛布と暖かいコートを持って私はシアターへ降りてゆきました。オペラの大嫌いなポールはキャンパーでお留守番です。
この夜はエストニア・ナショナル・オペラの公演で舞台の前にスエーデン語と英語で字幕が映し出されました。このような片田舎のオペラシアターで観客は何処から此れだけ来たのか3000人ちかくの人出でした。舞台装置はシンプルでしたが伝統的な衣装で歌手もそろっていて素晴らしく、特にリゴレットの娘ジルダに扮したイリーナ・ドゥブロフスカヤがぴか一でした。
10時半まだ西の空に薄明かりが残っていて、オペラの終焉とともに、大急ぎで急な坂道を駆けるように上り、車のラッシュになる前に駐車場を脱出、キャンプサイトへ帰りつきました。