りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

Film No Damage.

2013-08-23 | Weblog
まさかこの映画を観れる日が訪れるとは、夢にも思わなかった。

『Film No Damage』。

ロックミュージシャン・佐野元春のドキュメント・ムービーで、1983年に制作され、全国の
主要都市のみで短期間公開された。
しかしその後は、DVDはおろか、ビデオでさえも一度も市販されたことがなく、彼の長年の
コアなファンにとっては、まさに“幻のムービー”のような状態だった。

1983年。
当時、ワタシは14歳。
その前年、ラジオから流れてきた「シュガー・タイム」で彼の存在を知り、瞬く間に彼の音楽の
虜になった矢先だった。
しかし田舎の中学生で、しかも現在と比べておそろしく情報収集手段がお粗末な時代だったので、
どこでその映画を観られるのかさっぱり分からず(後から分かったが、至近では広島市内のレコード
ショップで上映されたらしい)、結局その映画全編を観ることがないまま、ワタシはオトナに
なってしまった。

それから30年後の2013年7月。

暇つぶしにアクセスした彼の公式サイトのトップページに、“『Film No Damage』9月7日より
全国上映が決定”と記載されてあった。
そのアナウンスを目にするや否や、ワタシは思わず“ウソだろ!?”と、声を上げてしまった。



〈つまらないオトナにはなりたくない〉



映画告知のグラフィック(上記の写真)にも掲載されている、このあまりにも有名な歌詞の一節。
「Film No Damage」を観たくても観れなかったそのかわりに、30年もの間、ワタシはこの言葉と
ともにずっと歩いてきたような気がする。
思い返せば、この言葉を自分の武器として生きていた時もあったが、その一方で、この言葉が自分の
足かせになってしまった時も、今まで何度もあったような気がしている。
それはワタシだけでなく、おそらく同じ時代に深呼吸をしていた同世代の人ならば、多かれ少なかれ
同じような感覚を経験をしているのではないか、とも思っている。

観たくて観たくて観たくて心の底から渇望していた映画を、来月、ついに観ることができる。
当時、“つまらないオトナ”の本当の意味も知らないくせに、ただただやみくもに“オトナになりたくない”と
口にしていたワタシも、奇しくも来月、44回目の誕生日を迎える。

“つまらない”かどうかは別として、40代半ばのそれなりのオトナになったワタシの眼に、
『Film No Damage』は、いったいどんなふうに映るのだろう。

佐野元春 with THE HEART LAND『Film No Damage』
コメント
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